路上の古物商 | タイフルーツ紀行

タイフルーツ紀行

タイで出会ったマンゴー・ドリアンなど美味なフルーツたちと農園や市場の様子を紹介、現地情報など

以前住んでいたアヌサワリー・チャイ(VICTORY MONUMENT)ですが、駅前に大変繁盛しているティーンエイジャー向けのカジュアルファッションの店があります。ここのオーナーはギーといってまだ二十歳そこそこの青年で、それでも10店舗ほど経営しているなかなかのやり手なのです。


5年ほど前、僕が住んでいたコンドのゴミ捨て場に捨てたばかりの革靴が駅前の路上で、綺麗に補修され500バーツで売られていてビックリしたことがあります。皮が傷んで底が剥がれてしまったので諦めて捨てた上等な靴でしたが、見事に再生されピカピカに磨き上げられ売られていたのです。思わず苦笑しながら


「うまく直したね、先週捨てたばっかりなんだけどな。」


と言うと


「え? 捨てた人なの? 買ってくださいよ、すっかり綺麗になりましたよ。」


といたずらが見つかったように笑ったボロボロのTシャツを着た少年、実はこれがまだ10代のギーだったのです。

古物商といっても実際には盗品を販売していたり、もしくは盗人そのものであったりかなり微妙な人種ですがギーの場合には捨てられた靴やサンダルのリペア販売を専門にやっていると言い、靴を捨てた張本人の僕にあっけらかんと笑いかけたあたり、なかなか憎めない感じがしたものです。


万事抜け目のないギーがタイのユニクロを作る日が来るような気がしています。