6月タイの輸出はやや回復 | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 タイの6月輸出は世界経済回復(?)の好影響を受けてやや回復気味です。今日のブログにアップしたグラフ(タイ王国の輸出)は「前年同月比ベース」ですが、「米ドルベース」だと6月輸出額は123億米ドルで5月輸出額116.5億米ドルを上回り、昨年11月以来最大となっています。

 但し、グラフのように、年ベースではタイの輸出伸び率(前年比)は8ヶ月連続の水面下です。

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 タイの輸出伸び率(前年同月比)。クリックすると拡大します。

 結局、09年上半期の輸出合計は、前年比23.50%マイナスで金額ベースで682億米ドル(08年上半期輸出額は891.6億米ドル)でした。

 景気減速で輸入も減少しているため、09年上半期の貿易黒字は109.9億米ドルと急増しています(08年上半期は5.7億米ドル)。「輸出―輸入(EX-IM)」は増加しているわけです。

 不況が「富裕層」、そして育ちつつある「中間層」を直撃しても、タイは農業が盛んな「飢えない国」です。仕事を失ったためタイ人が餓死をするというようなことはお国柄ありえません。

 今後のタイ景気は、長期的には、中国をはじめ、インド・アセアンを併せたおよそ30億人の巨大市場の消費動向、資金の出し手である日本に影響されるでしょう。短期的には貿易黒字増大などによるタイバーツ高への政府の対応など注目です。

(歴史的に)大きくみてみると、中国の今後の課題は、沿岸部と内陸部(農村部)の経済格差。民族問題も経済格差問題の側面もあると思われます。この格差解消のために、中国は(中国)西部の大開発をしてくることが予想されます。その時に、鍵になるのがタイをはじめとする陸地部・アセアンからの物流です。