ジム・ロジャースは引き続き中国株に強気 | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 タイ英字新聞バンコクポスト紙にジムロジャース氏の記事が掲載されているので以下に要約します。

 まず、記事では、最近のジム・ロジャース氏本人の投資について(前回と変化は無く)中国株を買い増していると答えています。(これも変化なく)特に農業関連株、水関連株、インフラ関連株、ツーリズム関連株など。

 中国については「1950年代の毛沢東による中国の農村改革は大規模な飢饉・貧困・環境破壊をもたらした。(毛沢東の負の遺産を埋め合わせるために中国は今後数千億ドルを費やすことになるだろう)しかし、1970年代後半の鄧小平の登場によってすべては変わったのだ」。

 ジム・ロジャース氏は「鄧小平の”改革開放”政策は中国の分水嶺」と評価しています。その根拠について、彼は1986年に成し遂げた「中国大陸横断バイク旅行」を通じて確信した、と答えています。彼は「中国の将来性・発展可能性に全く驚愕した。米国政府が創りあげていた中国のイメージは全くの出鱈目のプロバガンダで大嘘だったんだ」と続けます。

 「真実は、中国人はお金儲けに忙しすぎて毛沢東思想や共産主義教条なんかに拘ってる暇なんて無かった、というわけさ」

 今、中国は米国発のグローバル景気後退の影響で景気は悪化。2008年下半期の不動産取引額は上半期比50%減、新車販売台数など他の経済指標も記録的な悪い数値となっています。また、証券各社の中国担当アナリストは「中国には需要は存在するが農業関連株や水関連株のファンダメンタルは良くない」とコメントしています。

 グローバル景気後退への中国・北京政府の対応についてジム・ロジャース氏は「米国や欧州よりは上手く危機対応しているが、問題は中国元(RMB, 人民元)の外為市場取引の自由化だ。RMBの外為市場での自由化が進めば外資が中国へスムーズに流れることになり中国経済に好影響を与えるだろう」と分析します。

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バンコクポスト紙のジム・ロジャース紙へのインタビュー記事。見出しは「金融危機後も投資家教祖は中国の未来に強気」というもの。

 一方、米国のオバマ新大統領の税制改革や経済対策については批判的。ジム・ロジャースによれば「オバマ大統領が入閣させた経済アドバイザーたちは、今のサブプライム問題を作った連中なんだよ。彼らにできるのは現状を悪化させることだけだろうね」と答えています。

 来週は新年をニューヨークで過ごし1月3日にシンガポールに戻ってきたばかりのジム・ロジャース氏の取材へ行く予定です。有意義な取材ができるように質問内容を吟味したいと思います。