「オマハの賢人(Oracle of Omaha)」は米国株がお好き?(ウォーレン・バフェット氏) | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 本日(17日)のニューヨーク・タイムズ紙に「オマハの賢人」として有名なウォーレン・バフェット氏が寄稿していました。同氏は、米国の著名投資家でバークシャー・ハサウェイ社(世界最大の投資持株会社)の最高経営責任者、且つ慈善家として知られています。

NYタイムズのウォーレン・バフェット氏の記事はこちら

 寄稿記事で同氏は「世の中は今、景気の先行きについて弱気なニュースで溢れている。皆が弱気な時は買いだ」としています。同氏は「個人口座でいま米国株を買い続けている。少し前まで私は米国国債しか保有していなかった(バークシャー・ハサウェイ社の株式は除く)のだが、株価が今のまま安いならもうすぐ私の個人口座は米国株100%の組み入れになるだろう」としています。

 では、今なぜ彼は米国株を買うのでしょうか?

「私は市場が楽観で溢れ、投資家が貪欲になったときに株を売る。そして市場に悲観が蔓延し、投資家が恐怖で慄(おのの)いているときに株を買う」
「短期的なことは私にはわからない。しかし、5年、10年、20年後には米国優良大企業は史上最高の業績を記録していると思う」

 彼はさらに続けます。

「歴史から学ぶべきだ。1932年7月8日に米国ダウ工業株指数は41ドルの安値を記録した。当時、経済状況はまだ下降線を辿っていたんだ。1933年にF・ルーズベルトが大統領になって景気が回復を始めたときには米国ダウ工業株指数は既に30%ほど上昇していた」
「第二次大戦中、欧州でも太平洋でも米国の形勢が最悪だった1942年4月に米国ダウ工業株指数は底打ちした」
「1980年代初めは株式を購入する絶好のチャンスだったんだが、当時はインフレが猛威を振るっていて景気は最悪だった」

 と過去の歴史的な株価と景気の関係について言及します。そして、

「つまり『トレンドはフレンド』だなんて思うよりも『悪材料は投資家の最高のフレンド』と思うほうが良い」

 と結論付けています。また、

「今、資産をキャッシュ(現金・銀行預金)にしている人は安心感はあるだろうが、長期的には株式投資の方がずっとパフォーマンスが良いので理に適っていない」

 とも。

 先日、インタビューした「冒険投資家」として有名なジム・ロジャース氏は「経済と株式市場は違うんだ」ともおっしゃっていました。記憶に止めておきたいところです。