3 PEAT | 日常蹴辺

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身辺雑記


今振り返ると、自分が育った時代(70~80年代)というのは、まだ新しいものが生まれる希望があった。コドモの生活の中においても、テレビゲームが誕生し、マイコン(昔のPC。テープでロード俺のマイコン。)が家にやって来て、ヒップホップがブレイクした。明日になればまた新しい面白いものが出てくるというオプティミズムを心から楽しんでいた。文学ですら、まだ革新的な作品が出る可能性があるのではないかと思っていたくらいだ。もはやそんな期待はすべくもない。全てはリバイバルで焼き直しで、新しい何かなんて生まれる余地はない。

それでも、若者が作り出すものが、新たな楽しみや喜びをもたらしてくれることはある。昨年からなぜか日本のラップをまたよく聴くようになった。きっかけはKEN THE 390。地元町田出身の若いラッパーの、清々しいとしか言いようのないスタイルは、直で心に響く。そこから降神を聴いて、やはりすばらしいと思った。そんな中で一番はまったのが、GAGLEだ。個人的には仙台は好きな土地ではないが、GAGLEを生み、FreeTEMPOを生み、伊坂幸太郎を育てたのはあの街なのだ。

GAGLEの音楽は新しかったり、革新的だったりするだろうか。現役じゃないので技術的なところはわからないが、何度繰り返し聴いても飽きないし、心地よく、かっこいい。それで十分ではないか。この「3 PEAT」と1枚前の「BIG BANG THEORY」を、毎日毎日、飽きずに聴いている。