こんばんは、Yです。

前回の更新から少し時間が空いてしまいましたね。

速度が落ちる予兆でしょうか。

まずいですね。









とりあえず、続きをどうぞ↓

















あれ、なんか体がぽかぽかする。














私はゆっくりと目蓋を上げた。

私の目の前を、ひらりと何かが去る。







「起きたか」



体を起こして声のした方に顔を向けると、

壁際に膝を立ててユリシスが座っていた。

ユリシスの近くには先ほどの蝶が舞っている。


蝶は彼の右耳へ近づき、とまった。

ユリシスが蝶へ手で覆うと、

耳にとまっていた蝶は、蝶の形のピアスへと変化していた。




ふと周りを見ると、私は武道場の畳の上にいた。

足の上には淡いピンクのタオルケットが掛かっている。

どうやら、ここに寝かされていたらしい。






「えっと、何が起こったの?」



私は首を傾げた。

ユリシスの蝶を捕まえようと思って指先に魔力を溜めようとしたら

意識が、飛んだ。



「魔力が暴発したんだ」


ユリシスはただ淡々とそう告げた。

ぼうはつって…



「私は西洋魔法が遣えないの?」







「そーゆーわけじゃないよ」



突然現れた、気配。

振り返ると、ハナユキが私の後ろで屈んでいた。




「わぁっ」


さすがに驚いて、後ろに仰け反ってしまった。


ハナユキはニッカリと笑い、

ぱちんと指を鳴らした。

するとハナユキの体は一瞬にして無数の花弁に変化し

ざっ、とユリシスの前に移動した。

そして花弁は、仁王立ち姿のハナユキへと

変化を遂げる。




「ほうらユーリ、やっぱり難しかったじゃないか。

だから検査方法を代えてくれって前々から言ってるんだ」


ハナユキはユリシスに向かって言葉を発した。

表情は見えないが、

ハナユキに怒っているような様子はない。


「…考えておく」


表情を変えぬままユリシスが答えると、

ハナユキはやれやれと首を横に振って

私の方に向き直った。

そしてまたも指を鳴らし、花弁となって私の元へ戻ってくる。

今度は胡坐を掻いたハナユキが、私の前に現れた。


ハナユキは右手を私の上にぽんと置いて、

口を開いた。

「手に触れていない媒体で魔法を遣うのは、

そんなに簡単なことじゃない。

あの方法は美幸ちゃんにはまだ難しかったのさ」


だから遣えないわけじゃないんだよ、

とハナユキは続ける。



「ただ、やっぱり少しだけ西洋魔力は扱うのが苦手みたいだから

訓練が必要だね。

今日はもう遅いから続きはまた明日やろうか」



続き…?



「まだ適性検査はあるの?」



適性検査ってこれだけじゃなかったの?

私が首を傾げていると、ハナユキはふっと笑った。




「まだ、3つとも魔法薬の適性検査があるんだよ。

でもこの教室じゃ道具も材料もないから、

明日、薬学教室でやろうね」




ハナユキは、私の頭をくしゃりと撫で

よいしょ、と立ち上がると

私に手を差し出し立たせてくれた。

空いた方の手で私の掛けていたタオルケットを摘み上げ

振ると、淡いピンク色の無数の花弁となって

ハナユキの着物の懐へと吸い込まれるように入っていった。


ハナユキ先生の魔法ってきれい…






ハナユキが2回ほど手を打つと、

各々練習や作業をしていた生徒たちが私たちの周りへと

集まってきた。



「今日はこれで終わりね。

んで、今日の掃除当番は遅刻したキノットと

ここで作っちゃいけないはずの魔法薬製作してたヘデラね」


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」


「そんなぁー」



ハナユキがニッカリと笑うと、キノットと黄緑の瞳をした少年・ヘデラは

そろって大きな溜め息をついた。




「んじゃ、解散。お疲れー」


ハナユキの合図と共に、みんなは武道場を出て行った。

残ったのは、

掃除当番の二人とハナユキとミギーとそして私だけだった。



「美幸、夕食まで時間があるし

とりあえず寮の部屋に行こっか」


ミギーがにっこりとした表情で私の顔を覗き込む。

私は頷いたが、何か腑に落ちない。

何か引っかかる。

先ほど起きたときから、違和感があるのだ。

何か足りない?

あーなんだろう…


あ!




「寮監は?」


そうか、寮監がいないんだ。

私が倒れるまでは確かにこの教室にいたのに。


私はハナユキを見上げると、

あぁ、とこちらを見返した。



「みっちゃんは幸人君の様子を見に行くと言っていたよ。

吸われてないか心配なんだってー」


あははー、と笑いながら

私の頭をまたもくしゃくしゃと撫でた。


ぇ、吸われる?



「吸われる!?」


何が、何を!?

と、わたわたしていると

ミギーが、はぁーと溜め息をついた。



「リンくんが幸人の血を」


「え!なんで!?」



私がまごまごしていると

ハナユキがあははー、と笑いながら

私の頭を更にくしゃくしゃと撫でた。



「あいつは蚊だからなー」


「か?蚊って夏に血を吸う虫のこと?」


あれしかないわよね。

そんなことを考えていると、

ミギーは更に深い溜め息をついた。



「そんなこと言ってるから、ハナユキ先生はいつも

リンくんの餌食になるんですよ。

美幸、リンくんはね、ヴァンパイアなんだ」


う゛ぁんぱいあ…



…ヴァンパイア!?




「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」



武道場中に私の叫びがこだました。








続け










あれー?

幸人出てこなかったですね。

おかしいですね←

きっと次は出てくるでしょう。

K、よろしく☆




ファンタジーって難しい…








どうも、Kです。


魔法って意外と

不自由な感じがしませんか?


いえ、なんとなく思っただけです。


では、本編を、、




























「この蝶は君から逃げるように飛び回る。それを捕まえてくれ」


ユリシスの出した条件はそれだけだった。


「普通に捕まえれば良いの?」


「いいや、勿論違う。……灯れ、Oxygen」


そう言ったユリシスが人差し指を立てると、

彼の指先に赤々と輝く火が灯った。

それまで空をふらふらとあてどなく飛んでいたのに、

火が灯った途端、青い蝶はユリシスの指に

スゥーと寄って行き、止まった。


「この蝶は西洋魔法に属する魔力へと寄っていく」


ユリシスが説明していると、

蝶は指先に灯る炎にストロー状の口を伸ばす。


「さらに、その術者の魔力量に応じて羽の色が変わる」


そう言っている内に、ユリシスの魔力を吸った蝶は、

見る見るうちに青から赤へと羽の色が変化してゆく。


「このようにだ。分かったかい、ミユキ?」


「う、うん。だけど、私まだ西洋魔法なんて分からないよ」


「それなら、まずはイメージを掴むだけでもいい」


「イメージ?」


「魔法は一番にイメージが大事になってくる。

 例えば西洋魔法は宝石や短刀みたいに媒体を用いるのが主流なんだけど、

 さっき俺が使った火を灯す魔法は媒体が酸素(Oxygen)

 だから目には見えない。こういう時にイメージによって補完するんだ」


「どういうこと?」


「つまり魔法とイメージは切っても切れない関係なのさ。まあ、なんにしても実践あるのみ。まずは魔力の流れを指先に留める様にイメージしてごらん」


「うん」


私はユリシスに言われたとおりに、

人差し指の先をジーッと見つめた。

指先に力が溜まるように集中していく。


「うぅ~~~~」


なんだか仄かに指先が暖かくなってきた気がする。


「指先がむずむずしても集中力を切らしちゃダメだよ」


ユリシスの声が耳に届いた辺りから、

びりびりとむず痒いような感覚が襲ってきた。

この痒みを止めたい。指先に溜まってる魔力を解き放ちたい。

その気持ちを理性で押し止めると、

目を閉じ、さらに集中していく。


「あ、熱いよ…」


「もう少し我慢するんだ」


暖かい程度だったのが段々と熱くなってきた。

薄っすらと目を開けると、

いまや、指先からは赤い光の奔流が溢れ出ていた。

知らぬ間に蝶も私の指先に寄って来ている。

指先に感じていたむず痒さは頂点に達していて、

すぐにでも溜まった魔力を開放したい。


「まだ…?」


「よし、いいよ。ゆっくりするんだぞ」


「はい。んぅっ……ひゃっ!」


ユリシスの言葉に返事をした途端に、

緊張の糸が切れてしまったようで、

指先がパチンッと破裂したかと思うと、

私は仰向けに倒れてしまい、頭をぶつけてしまった。


「おい、大丈夫か、ミユキ!」


「あれま、暴発かい?」


肩を揺するユリシスの声や、

やっぱり飄々としたままのハナユキ先生の声、

それらがどこか遠くから聞こえてくる。

なんだかふわふわとした感じで、

身体に力も入らない。


私の意識はそのまま暗転してしまった。







続く、、












はい。

真言は書き手としては

難しいんじゃないかなぁ~?

と引け腰なKです。


今回、美幸ちゃんは魔力を暴発させてしまいました。

そんでもって意識がフェードアウト。

これはつまり、ねぇ?


上手いこと主役交代させた感じがしません?

しませんか。そうですか。


では、Y嬢にパスですの。


こんばんは、Yです。


Kの方の始まりの文句が

ほぼ毎回「どうも」だったことに、

さっき気がつきました。




まぁ、そんなことはどーでもいいですね。





では、続きをどうぞ。






















私とキノットの手が黄色く光った。




「ナゥマク サマンダ バザラダン カン」


キノットの呪文が響き、

私たちの手の光は一層輝きを増す。

キノットが徐々に手を離していくと、

私たちの手の間には光の帯ができていた。



「そぉれぇ!」


掛け声と共に、キノットは私と光で繋がった方の手を

ヒュッ、と揚げた。

すると、私の体はキノットに操られたかのように

宙にあがる。

キノットの手の動きに合わせて、私の体も宙を彷徨う。






「それが東洋大陸魔法だよ。

とりあえず、この中からどれか読み上げてごらん」



私の真下に、のこのことやって来たハナユキ先生は

着物の袂に手を突っ込むと、一枚の紅い花弁を取り出した。

それを手のひらに乗せ、息を吹きかける。

ハナユキ先生の手のひらに乗っていた一枚の花弁は

いつの間にか増殖し、舞い上がった。

そして空中に、何かの文字を浮かび上がらせた。

先ほどキノットが唱えていた、呪文のようなものに似ていた。

いくつかかかれているが


どれもむつかしい…




私がそんなことを考えている間にも、キノットは手を

右へ左へ、上へ下へと楽しそうに動かしている。

私もそれに合わせて、ぐわんぐわんと振り回されていた。


どれか、どれか、、


私の目にひとつの文字の羅列が留まった。



ええい、これだ!


「オン バザラアンタンノウ タラク ソワカ!」



バチン


二人を繋いでいた光の帯は、

私が呪文を読み上げたと同時に、切れた。

キノットは弾かれたように吹っ飛ばされ、

私の体には従来の重さが戻ってくる。

そして、真っ逆さまに落ちていく。


…落ちていく。


落ちる!?




私は、これでもか、というくらいジタバタともがいた。

しかし、このセカイでもどうやら重力には逆らえないらしい。

私の視界は、己の意思に反してどんどん床へと近づいていく。



ぶつかる!



「オン カカカビ サンマエイ ソワカ!」





私の体が、一瞬にして軽くなった。


心地良いアルトの響き。

この世界に来て最も聴いたこの声には、

前にも助けてもらった気が…




「ミギー?」


畳の方から駆け寄ってきたミギーが私の手を掴み、

着地させてくれる。


「あぁ、失敗しなくて良かった。美幸、大丈夫?」



顔を覗き込まれる。

私が頷くと、ミギーはにっこりと笑った。






「いやー、まさかその真言が使えるとは…

東洋大陸魔法も、言霊を遣うやつは良好だね」


袂に両手を入れて、のこのこと近寄ってきたハナユキ先生は

私の頭をくしゃくしゃと撫でた。




「真言…?」



聴きなれない言葉に、またも顔をしかめる私。



「真言ってゆーのは東洋大陸魔法に遣う呪文のことですぅ」


えらく間延びした喋り方で現れたのは、

教室の端まで飛ばされた、キノットであった。



「寝起きとはいえ、キノットが吹っ飛ばされるとはな。

それに真言も中級クラスのものだったし…

こりゃ、極東魔術と並びに相当な素質がある」


ハナユキ先生が先ほどの三角グラフに“良”と書いていると

キノットがこくこくと頷いた。


「はぃですぅ。私もびっくりしましたよー…

美幸ちゃん、助けられなくてごめんなさい」



キノットがくるりと私の方を向くと、

申し訳なさそうに、ぺこりとお辞儀した。


「ううん、大丈夫だよ。ミギーが助けてくれたし」



私がミギーを見やると、ミギーが顔を赤らめた。

どうやら照れているらく、ポリポリと頬を掻く。



「よかったな、ミギー。今度は武道場を吹き飛ばさなくて」


ニッカリと笑うハナユキの言葉に、

今度は別の意味でミギーは顔を赤くした。しかも耳まで。



「もー、いいだろ!できたんだからっ!!

早く次、次!!」



ぷっくりとむくれているミギーを余所に、苦笑しているハナユキは

椅子に座りなおし、キノットに礼を述べた。



「キノット、向こうに行ってミギーの真言術をもう一回見てやってくれ」


苦笑しながら畳を指差すハナユキに、はぃですぅ、と

相変わらず間延びした返事を返したキノットは、

ミギーの手を引いてほかのクラスメイトたちのいる

畳へと向かっていった。






「さあ、美幸ちゃん

次が一応、武道場でやる最後の適性検査だ」



こちらも相変わらず飄々とした態度のハナユキは、

畳の上で分厚い本を開いていたユリシスを手招きした。



「西洋魔法の適性判断は、毎回ユリシスにやってもらっている。

ユーリ、“いつもの”やってくれ」


ユリシスは肩をぽんと叩かれると、

表情を変えずにこっくりと頷いた。

そして、私の前へと歩み寄る。




「ハナ言うとおり、俺は毎回同じ方法で【い】組のメンバーの

適性判断を行ってきた。

今回もまた同じ方法で、ミユキを試させてもらう」


そう言い終わるか終わらないかのうちに

ユリシスは、右耳につけていたピアスを取った。

そして蝶の形をそれは、ユリシスが放り投げた瞬間

鮮やかな青色をした、本物の蝶へと変化した。















続け。














幸人?空気ですね。完全に。

あと3話くらいしたら出てくるんじゃないですか?たぶん。

美幸の話に区切りがついたら出てくるんじゃないですかね、きっと。