どうも、Kです。


四月からまた忙しくなります。

いや、いつも言ってる気もしますけどね。

とにかく更新は滞りがちになるかと思います。

まあ、今までもPC壊れて一年放置とかありましたし、

今更あらたまって言う必要ないかもしれませんけどね。



では、本編をば、、
























「リン。幸人もいるんだから、愚痴はまたにしなさい」


寮監がたしなめると、

リンドウの眉間によっていた深い皺がすっと消え、

柔和な笑顔となった。


「…そうですね。いやあ、ごめんね、幸人くん」


幸人にはそのリンドウの声が

どこか遠くで響いているように虚ろに聞こえた。

その表情は笑顔なのに、とても寂しそうで、

胸がズキズキと痛むように感じる。

気付くと、幸人はリンドウの手を取り、話し始めていた。


「リンくん、そういう時は嫌なこと全部吐き出しちゃえば良いんだよ! 難しい話は分からないけど、ぼくに分かることだったら言って欲しいな」


突然かけられた言葉に、

リンドウは呆然とした面持ちだった。

それでも、幸人は続けた。


「だってさ、ぼくたちはルームメイトでしょ。それに、くだけたんだから!」


「……くだけた?」


寮監の頭の上にはクエスチョンマークが浮かんでいた。

しかし、リンドウはというと、突然、身体をくの字に曲げて笑い出したのだ。


「くふっ、はっははは、まさか自分より400歳近く年下の幸人に慰められるなんてね」


「あれ、ぼく変なこと言った?」


「いいや、そんなことない。最高だよ、幸人。好みじゃないけど君の血なら戴けそうだ」


口の端からキラリと白く光る牙を覗かせながら、

リンドウは幸人の頬にひんやりとした右手を添えて言った。

左手は幸人の腰に回され、後退を阻んでいる。


「リンくん痛いのはヤダよ?」


「ふふ、大丈夫。痛いのは最初だけさ」


リンドウの眼光は小動物を狩る獣の目であった。

そうして、ゆっくりとまるで口づけでもするかのように、

顔と顔とを近付けていくのだ。

その時、幸人は病院でされた注射を思い出していた。

チクリという痛みを思い出すと、つい目をつむってしまう。

それは自然界においてなら、絶対にしてはならない愚行だ。

肉食獣を前にして、自ら首を差し出しているかのようなものだ。


「じゃあ、いただきまー…」


「……自重なさいよ?」


リンドウが横目に寮監を見ると、

またもや寮監の背後にはブリザードが吹き荒れていた。

しかも、右手にはハンマー、左手に杭。


「あ、あははー、やだなぁ。冗談ですって冗談」


「……そう」


無表情である。

人間とは顔面からここまで表情を失わせることが出来るのか、

と思わず感心してしまうほどの無表情である。


「あの、えぇーと……悪ふざけが過ぎました」


「分かればいいわ」


「ごめんね、三津子先生」


「だから、その名前で呼ばないでって言ってるでしょう!!」


ハンマーと杭を振り回しながら叫ぶ妙齢の女性。

なんとも愁いを感じる、とそんなことをリンドウは思いつつ、

幸人を抱えて、ベッドの上段に飛び乗る。


「うわぁ、すごい。今のジャンプ!」


「ヴァンパイアは身体能力が高い種族だからね」


「良いなぁ」


「魔法を覚えればこのくらいの事は出来るようになるさ」


「そうなの?! じゃあ、ぼく頑張る!」


「その意気だ。ルームメイトとして色々教えてあげるよ」


「うん!」


「じゃあ、そろそろ夕食に行きましょう」


いつのまにか冷静さを取り戻していた寮監は

リンと幸人を交互に見る。


「あれ、もうそんなに経ってた?」


リンドウはポリポリと頬を掻きながら、

逆の手で懐から懐中時計を取り出した。


「もう5時半か。今から食堂に向かえば丁度いいね」


「それって時計? 格好いい!」


「そうかい? 僕も気に入ってるんだ。銀製のところが特にいい。奴らが寄ってこないからね」


「やつら?」


「リン、汚い言葉を幸人に教えないで、ね?」


またもやブリザードが吹き荒れそうだったので、

リンドウは一度咳払いをすると、濁すようにして言った。


「うーん、僕らヴァンパイアの〝天敵〟かな」






続く、、














とまぁ、

部屋の中だけで話しが終わってしまいました。

ちょっと本腰入れて書いたのですが、どうでしょう?


リンドウくんが

ヴァンパイアのおかげで

幾分か使い易くなってきました。


幸人はやっぱりよく分からない。

自分なりに性格を意識して、

書いてみた部分もあるんですが、

どうでしょうね。



それでは、Y嬢へ






また間があいてしまいましたね…

更新速度絶賛失速中につき。










とりあえず本編をどうぞ





















「これって…かんおけ?」



幸人が首を傾げる。


リンドウが腰掛ける木箱は、

前にテレビで放送されていた映画にでてきた

吸血鬼の寝ている棺桶にそっくりだった。



「そうだよ」


リンドウのにっこりとした笑顔が

一瞬、不自然なものへと変化した。

唇の端を異様に吊り上げ、細めた瞳を爛々と輝かせるその姿は

不気味としか言いようのないものであった。

しかしその瞬間的な変化に、幸人は気づかない。



「幸人君、こっちへおいで」


リンドウが手招きをすると、

幸人は嬉しそうに頷き

リンドウの横へちょこん、と腰掛けた。



「ふふ、健康的でおいしそう」


リンドウが呟く。

その声は幸人の耳には届かない。

リンドウの横へ腰掛け、足をぷらぷらさせながら

幸人は嬉しそうな笑みを浮かべている。



にこにこと静かに座っていた幸人は、

あっ、と何かを思い出したようにリンドウを見上げた。



「ねぇねぇリンくん、ぼく、持ってきたものおかたづけしなきゃ」


だいじなものはしまいなさいっておかあさんがいってたもん

と、続ける。


たどたどしく訴える幸人に、リンドウは微笑みかけ

幸人の頭を、ぽんぽん、と撫でた。


「そうだね。

でも僕、疲れちゃったな」


休んでもいい?

と、眉を下ろしリンドウは問う。

幸人はきらきらとした笑顔で、いいよー、と返事をした。




「幸人くんが少し元気を分けてくれるのでもいいけど…」




リンドウは唇の端から白く、

そして妖しげに光る犬歯を剥きだし

笑った。










「リン!何してんのよ!!」


寮監は己の目の前に存在していた

大きな木製の扉を、砕け散るのではないかと思われるくらい

激しく押し開けた。


そして、部屋の中央に置いてあった木箱に腰掛ける

リンドウと目が合うや否や、一目散に駆け寄る。


寮監が二人の前に仁王立ちで止まった瞬間、

それまでの妖しい笑みはどこへやら

リンドウはふにゃりとした優しげな笑顔になった。



「やっだなー、三津子先生ったらぁ♪

かわいいリンリンのお茶目なジョークじゃないですか」


額にピースサインを掲げながらウィンクするリンドウ。

その向かいで背後にブリザードを吹き荒らす寮監。

見事なまでの温度差だ。



「その名前で呼ばないで!」


鬼のような形相で寮監は金切り声を上げた。



「それに、この何もない部屋は何!?

家具はどこへやったの!!」


部屋を見回し、ますます声を荒らげ

寮監はリンドウを睨みつける。

睨まれたリンドウは笑顔を崩すことなく、

寮監の問いに応えた。



「そんな声を張り上げなくてもー。

幸人くんがびっくりするじゃないですか」


にっこりと笑いながら、

リンドウは幸人の肩を抱き寄せる。


「すぐに直しますよ」


リンドウが指を鳴らした。

パチン、という小気味好い音と共に

部屋の景色がガラリと変わる。




「わぁ…」


幸人は立ち上がり、ぐるりと室内を見渡した。

先ほどまでは存在しなかった数々の家具が姿を現したのだ。

二段ベッドと二台の机、

幸人よりもずっと背の高く大きな本棚。

どれも部屋の雰囲気にあった木製だ。

窓にはカーテン。

床にはラグマット。

壁にはクローゼットとと思しき扉。


「ベッド、上でいい?」


棺桶から腰を上げたリンドウは、

部屋の扉の脇に置きっぱなしだった幸人の布団を持ち上げた。


「ぼく、上がいい!」


幸人は目を輝かせる。


はいよ、とリンドウは持っていた布団を

ベッドの二段目へ置いた。

そしてその足でベッドの脇に立てかけてあった

折りたたみ式のテーブルを出し、棺桶の前で組み立てる。

更に棺桶の蓋を開け、中に入っていた座布団二組とりだした。

再び蓋をした棺桶はリンドウが指を二段ベッドへ向けると

その下へ、サッ、と滑り込んだ。



「まあまあ、三津子先生。座って座って」


未だに般若のような形相の寮監に、リンドウは

そのままの笑顔で座布団を進めた。

幸人にはもう一組の座布団を差し出し、自身は

本人が使用していると思しき机の椅子に置いてあった

クッションを抱え、そのまま座る。



「それにしても、先生は心配性ですね。

僕が幸人くんの血を吸うわけないじゃないですか」


リンドウは笑顔を貼り付けたままだ。

そんなリンドウを幸人は見上げる。



「リンくんはやっぱりきゅうけつきなの?」


ふふ、と優しげな微笑をリンドウは幸人に向けた。



「そうだよ」


「かんおけで、ねないんだねぇ」


二段ベッドを見上げる幸人に、リンドウは続けた。



「昔は使ってたんだけどね。

封印されたときの記憶が甦って、

今はあんまり使いたくないんだ」


だから座布団入れとかに使っているんだよ、と

先ほどの妖しさを微塵も感じさせない笑顔で応える。

その笑みにつられて微笑んだ幸人に、

リンドウは満足げに頭を撫でた。



一頻り幸人を撫で、気の済んだリンドウは

寮監へ向き直る。



「だいたい、幸人くんはどう見たって

僕の好みじゃないじゃないですか」


「そうね」


リンドウは笑顔だ。

しかし、それに応える寮監の背後は

未だに大荒れのブリザードである。



「そうですよね。

それにここ百年くらいは、バラの精気かハナの血かしか

吸ってないですよ」


起きてからはほぼハナ以外の血吸ってないですけどね

と続ける。


確かに、私が彼に出会ってからの数十年、

バラの精気を貰っているところには遭遇したが

一度も吸血場面の目撃はしていない。


寮監は内心安心しつつも、

眉間には皺が寄ったままだ。



「まあ、最近はユリシスがウザさを増したから

ハナの血も満足に吸えやしないんですけど」


リンドウは肩をすくめる。



「僕も一緒にあの村からユリシス助けてやったんですよ?

それなのにハナにしか懐かないとか酷くないですか?」



已然リンドウは笑顔のままだが、
その眉間には寮監と同じか

もしくはそれよりも深い皺が刻まれていた。














続け









切るところがわからず、

長い上に謎なところで切れてしまった…


ので、K

後は頼んだ












どうも、Kです。


地震がありましたね。

おかげで少しバタバタとしていました。


それに加えて、

ちょいと風邪をひきまして、

そんな感じで更新が途絶えていました。


4月に入ると更に失速しそうな気がしますが、

とりあえず、今のうちに更新していきます。


では、本編をば、、



























美幸はミギーによってリンドウの正体が

ヴァンパイアであることを聞かされた。

その瞬間から少しばかり時は遡る。



「この世界の魔法について、それと【ぬ】組について、あらかた説明したんだけど、分かったかな?」


書庫を出てから、

リンドウは魔法や学校について

幸人に話して聞かせていた。


しかし、

どうにも幸人からの反応がない。

もしや、自分の説明が下手で

意味が分からなかったのだろうか、

と心配になったリンドウは、

後ろを一歩遅れて付いて来る幸人に

向き直り、立ち止った。


「……ぅ、うん」


リンドウが振り返ると、

途端に幸人は下を向いてしまった。

幸いなのは返事が返ってきたという点か。


「他に聞きたいことは無い?」


「え、えっと、……ない、よ?」


幸人はそれだけ言うと押し黙ってしまう。

二人の間に微妙な沈黙が出来つつあった。

その空気に耐えられなくなったリンドウは、

幸人の横に並ぶと口を開いた。


「僕らはルームメイトになるんだしさ。もっと、くだけた付き合いでいこうよ」


「え…、くだけた?」


幸人はポカンとした顔をしてリンドウを見た。

もう心を決めたといった表情のリンドウは


「こんな感じで!」


と言って幸人の肩に腕をまわし、

肩を組む形になる。


「どう、かな?」


リンドウが幸人に言うと、

ちょうど二人の目と目が合った。

幸人は微笑を浮かべ、

こくりと頷くと、口を開いた。


「くだけたかも」


「お、そうか、くだけたか」


「うん。リンドウくん、……ありがとう」


最後の方は声が

かなり小さくなっていたが、

その分、今度は見てすぐ分かるほど、

ニッコリと大きな笑みを浮かべると、

幸人はリンドウの肩に腕をまわした。


「それじゃ部屋に行こう!」


「うん!」






その後、二人がしばらく歩くと、

西洋風の木製の大きな扉が見えてきた。


「あれが僕らの部屋だ」


部屋の前に着くと、

扉の前に丸められた布団や

歯ブラシなどの細々とした

家具が置かれていた。


「これ、お祖母ちゃんの家に置いてきたのだ」


「使い魔でも使役して送ってきたんだろうね。さ、中に入れよう」


使い魔という単語に

僅かに首をかしげた幸人だったが

後で聞こうと考え、家具を持った。


「意外と荷物が多いね」


リンドウが呟くと、

幸人が、そう? と返した。


「いや、僕の荷物が少なすぎるのかもしれない」


リンドウが扉を開くと、

中には一つの木の箱が

置いてあるだけだった。


「あれ、リンドウくんの荷物はそれだけ?」


「あぁ、僕の荷物はこれだけさ」


そういって木の箱に腰掛ける。

長方形のそれは明らかに


「これが僕の全てであり、かけがえの無いものなんだ」




―――棺桶だった。










続く、、







すみません、ごめんなさい。


えー、

言い訳というかなんというか、

かなり四苦八苦しました。


なんか幸人の動かし方が分からない。

そのせいで竜胆もギクシャクしていって、

結果、全体的に変な感じに……。



あとはY嬢に任せた…ッ!!