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FLICKS FREAK

いやぁ、映画って本当にいいもんですね~

 

個人的に思い入れの強いウディ・アレン作品。それは公開時に劇場で観た初めてのウディ・アレン作品だったから。1981年の日本公開時には自分は高校2年生だった。この作品を観てウディ・アレンが好きになり後追いで『アニー・ホール』(1977)や『マンハッタン』(1979)を観た。と言っても、当時はレンタル・ビデオもなければ配信もない時代だったので、大学入学後上京して名画座で観ることになる。

 

初見時の作品のディテールの記憶はほとんどなかったが、主人公のアパートの壁全体がエディ・アダムスの「サイゴンの処刑」の写真であった印象だけが強烈に残っていた。そして、この作品が自分にとってはウディ・アレンの原点であり、ウディ・アレンらしい作品と言えばこの作品というイメージだった。そのイメージは45年ぶりに観ても間違っていなかった。

 

内省的かつ自伝的な作品が多いウディ・アレンだが、本作はその中でも最もその傾向が強い作品。創作に行き詰まった映画監督の苦悩をモチーフにしているため、ウディ・アレンの『8 1/2』と言っていい作品。アレン作品特有のウィットや気の利いたセリフ回しは健在だが、全体的にトーンは抑えられ、よりシリアスな雰囲気が漂っている。人生の岐路に立ち、自身の進むべき道に迷う監督の心情が見事に描き出されたメタ作品。

 

構成があまりに複雑で、シーンのつながりが唐突だったり、脈絡がないように感じられたりする場面も少なくないが、それも「アレンらしさ」と言えるもの。

 

恋に移り気な主人公の相手となるのはシャーロット・ランプリング、マリー=クリスティーヌ・バロー、ジェシカ・ハーパーの3人だが、映画ポスターのシャーロット・ランプリングよりも、『サスペリア』の印象が強いジェシカ・ハーパーの方が記憶に残っていた。そして久々に観返してシャローン・ストーンが出演していることに気付いた。オープニングの汽車の中と中盤の海岸の車の中で、マリリン・モンローをイメージさせる美女としてセリフのない出演だが、当時気付かなくて当然なのは、この作品が彼女の映画初出演作品(ノークレジット)だということを観終わってから調べて知った。

 

多作家のウディ・アレンには観るべき作品は少なくないが、この作品もその1本であることは間違いがない。

 

★★★★★★★ (7/10)

 

『スターダスト・メモリー』予告編