ジャッキー・チェンとピアース・ブロスナン主演のアクション映画。監督は、ダニエル・クレイグ版007の一作目『カジノ・ロワイヤル』(2006年)のマーティン・キャンベル。ジャッキー・チェンのいつものコミカルな要素を全て封印しているところは、『カジノ・ロワイヤル』でそれまでのジェームズ・ボンドからコミカルな要素を排除したことと似通っている。
ロンドンで中華料理店を経営しているクアン(ジャッキー・チェン)。彼には高校生の愛する一人娘がいた。しかし、彼女をIRAの一派の仕業と思われる爆破テロにより失ってしまう。復讐を誓う彼は、爆破犯の名前を割り出そうと、元IRAであり現在はアイルランド担当大臣となっているリアム(ピアース・ブロスナン)を脅しにかかる。
爆破テロに関わる政治的背景及び爆破の経緯はかなり複雑。確かに元IRAの要人だったが、今は政治高官となっているリアムを執拗に付け回す理由が最初不明だったが、実は彼が爆破テロに少なからず関与している(直接関わっていないところがミソ)ということが後々明かされ、ストーリーはまとまっていく。
それに対し、クアンの行動は、あくまで殺された娘の復讐というシンプルなもの。そして、ただの中華料理店のおっさんにしては、やたらと格闘技に長け、爆薬の専門知識も半端ないという理由も後々明かされていく。
63歳とは思えないジャッキー・チェンの切れ味のあるアクションが見もの。最近のアクション物では、ジョン・ウィック・シリーズの1作目『ジョン・ウィック』(2014年)以来のヒットではないだろうか。
★★★★★ (5/10)