『クリード チャンプを継ぐ男』が思いのほかよかったので、ライアン・クーグラー監督の前作鑑賞。
『クリード~』では、シルベスター・スタローン以外の主要な出演者はほぼ全員黒人。『ロッキー』ではイタリア系移民の経済格差が背景としてあったが、『クリード~』ではそれが黒人の問題に置き換わっていた。
『フルートベール駅で』でも、黒人のライアン・クーグラー監督は、黒人問題にフォーカスしている。
作品の構成は至ってシンプル。主人公のオスカー・グラント(マイケル・B・ジョーダン)が射殺されるという事件のクライマックスが冒頭に置かれている。そして、その日の朝まで一気に時間を遡り、そこから「その時」までを時系列順に追っていく。
その一日の悲劇的な結末(そしてそれは事実に基づいている)を知っているだけに、何げない日常こそが幸せだと思わせる。
確かにパワフルな映画だが、被害者サイドの主張だけで構成されていることは気になる。勿論、警官にいかなる事情があろうとも、無辜の命が奪われたことは正当化できないのだが。
実話を元にしただけに、予告編を見て事件に興味を感じたら観ても損はないかと。
★★★★★ (5/10)
『フルートベール駅で』予告編