『親愛なるきみへ』 (2010) ラッセ・ハルストレム監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~



ラッセ・ハルストレム監督により、ニコラス・スパークス(『きみに読む物語』『メッセージ・イン・ア・ボトル』ほか) の恋愛小説を映画化。

恋愛物の場合、主人公の恋愛観が受け入れられるかどうかがまず好き嫌いの第一条件となる。即ち、脚本(及び原作)が重要。

いかに『ギルバート・ブレイク』といった名作を作り、高水準の作品を作り続けるラッセ・ハルストレムと言えども、ストーリーがこちらの恋愛観にそぐわなければ、(自分が思うところの)いい作品を作れるはずがない。

米軍特殊部隊のジョン・タイリー(チャニング・テイタム)は、2週間の休暇で父親が暮らすサウスカロライナに帰省していた。彼は、夏季休暇中の女子大生サヴァナ・カーティス(アマンダ・サイフリッド)と海辺で偶然知り合い、恋に落ちる。そして2人は愛を育むが、瞬く間に2週間が過ぎ、ジョンが赴任地に戻る時が訪れる。ジョンは1年後には除隊し、サヴァナと一緒に時間を過ごすことを約束する。各地を転々と赴任するジョンと、大学に通うサヴァナ。遠く隔てた距離を埋めたのは、2人が交換する手紙だった。約束の1年が間近になった時、9・11同時多発テロ事件が起こり、ジョンは任務を延長せざるをえない状況に追い込まれる。祖国への献身とサヴァナの元に戻りたい想いの間で苦悩するジョン。卒業後故郷へ戻ったサヴァナも孤独に耐え、2人の絆をなんとか保とうと努力していた。しかし、ある日、ジョンの元に届いたのはサヴァナからの別れの手紙だった。

サヴァナの別れる理由が全く納得がいかない。2週間の交際で、すぐに遠距離恋愛になってしまったとしても、二人の関係が続くところがロマンチックなのであって、それが映画に描かれた理由で壊れるというのもなんだかなあ、という感じ。病気の相手が自分を必要としているという理由で自分の気持ちを偽るのは、相手にとっても失礼以外の何物でもないように感じる(相手はそれでもいいと言うのかもしれないが、それは映画のストーリーとしてロマンチックではない)。子供のためなのであれば、他に方法はあるはず。

更にエンディングも実に安易で、「えー、それって都合よすぎない?」という印象。

ただ映画としては売れたので、このストーリーが受け入れられる人は多い模様。自分としては、かなりイケてない恋愛物だと感じたが。

★★★ (3/10)

『親愛なるきみへ』予告編