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ウディ・アレン好きとしては見逃せないドキュメンタリー映画『映画と恋とウディ・アレン』鑑賞。
彼の人生をひも解くが、前半で彼の原点ともいうべきスタンダップ・コメディアン時代に時間を多く割き、後半の映画監督としての成功につなげる内容が興味深い。
この手の作品では、本人が全く登場せず、周りの人々のインタビューだけで構成というものも少なくないが、この作品では、ウディ・アレン本人がしゃべるしゃべる。元々よくしゃべる人ではあるが、それは映画の中のセリフ。彼自身のことを、これだけ我々が聞く機会もなかったことであろう。
映画監督としては演技指導を全くしないとか、ほとんど撮り直しをしないとか、「へええ、なるどねえ」ということもあり。
彼の映画哲学は、「偉大な作品と自分の間にあるのは『自分』」というもので、また、数多く作ることで確率論的に偉大な作品を作る可能性が高くなるというスケール・メリットを信じる多作肯定派でもあることが語られる。
確かに近作は、「また来たの?、ま、レビュー読んでからでいいか」と思うほどの多作家だが、その創作意欲はやはり彼の生のバイタリティーと表裏一体なのであろう。
ミア・ファローの養女スン・イーとのスキャンダルもニュートラルに扱われ、現在では結婚して幸せな家庭を築いていることも紹介されている。
予告にもある"Despite all these lucky breaks, why do I still feel like I screwed somehow?"というのは映画の締めのセリフ。いかにもウディ・アレンらしい。
帰ってから早速、家のウディ・アレンDVDコレクションから彼の最高傑作『アニー・ホール』を観直した。
ちなみにマイ・ベスト3・ウディ・アレン・ムービーは、『世界中がアイ・ラヴ・ユー』『ギター弾きの恋』『カイロの紫のバラ』。ラブ・ロマンス・コメディーを撮らせれば彼の右に出る者はいないでしょ。
★★★★★★ (6/10)
『映画と恋とウディ・アレン』予告編