『フォックスキャッチャー』 (2014) ベネット・ミラー監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~



映画『フォックスキャッチャー』鑑賞。

大富豪御曹司による金メダリストの射殺事件という実際のできごとを映画化。

映画は終始陰鬱で、全くカタルシスがない。いわゆるスポーツ映画のカテゴリーには属さないもの。フィクションの派手さはないが、代わって実際の事件というリアリティが魅力。

レスリングという、オリンピックの金メダリストといえどもお金にならないスポーツのマイナーさが重要な背景。金はうなるほどあり、社会的地位も高いけれども、常に孤独な人生を送ってきたことにより、屈折した生き方を強いられた人間の狂気がテーマ。

特筆すべきは、主役級の3人の演技。スティーブ・カレル(『40歳の童貞男』『リトル・ミス・サンシャイン』出演のコメディアン)の特殊メークには驚き。チャニング・テイタム、マーク・ラファロによるレスリング選手の兄弟愛も見事に演じられていた。

『カポーティ』『マネーボール』ほどの分かりやすい面白さはないものの、ベネット・ミラー監督のじわっとくる佳作と言える。くらーい映画が嫌いでなければ。

★★★★★ (5/10)

『フォックスキャッチャー』予告編