『マダム・マロリーと魔法のスパイス』』観賞。
美食文化とは程遠い私は、映画のジャンルでフード映画はドキュメンタリーにせよ、フィクションにせよ、文字通り食指が動かない。しかし、ラッセ・ハルストレムの新作とあれば観ないわけにはいかない。
ラッセ・ハルストレムは『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』や『ギルバート・グレイプ』といった佳作を作ったスウェーデンの監督。最近の作品では『砂漠でサーモン・フィッシング』はまあまあの出来だった。
主人公は、母親にインド家庭料理の手ほどきを受けた天才シェフ。ふとしたきっかけからフランス料理を独学で学び、あっという間にフランス料理界のスーパースターとなるサクセス・ストーリー。
こんなに分かりやすくていいんかいと、観初めて30分程度で全てのストーリーが読めてしまう予定調和だが、面白くないことはない。小難しいことを言わなければ、誰しもがハッピーになれる映画と言える。ちなみに映画の中でクリスタルがばんばん開く。ワイン・ラヴァーはそれだけでなぜかハッピーな気分に。
私自身、観ながら何度も「マンガじゃん!」と言いながら、結局終わってから「ま、これもありかな」という感じ。但し、『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』や『ギルバート・グレイプ』の深みは全くなく、監督自身、楽しければいいじゃん、という開き直った感じ。ということで、予定調和のハッピーエンド・コメディに「けっ!」と思わない人なら観て損はないかと。
★★★★★ (5/10)
マダム・マロリーと魔法のスパイス』予告編