秋の話題作の一つ『イコライザー』観賞。
アクション映画がアホらしいと感じるのは、主人公の脳みそが筋肉でできていて、勧善懲悪でいかにもの悪人をやっつけるという単純さ。この映画は、そうしたアクション映画のアホらしさをぶっ飛ばした感がある。
主人公が元エージェント(この映画では多分CIA)という設定で、事件に巻き込まれ悪い奴らをやっつけるというのはよくあるパターン。そのパターンを踏襲しながら、「またこれかよ」という感じがないのは、やはり主人公のキャラクター設定の妙にあると思う。
主人公は、非常にクレバー、人情味にあふれる面もあれば、人を殺すことになんら躊躇しない冷血さも持っているという、これまでのアクション映画の主人公にはないキャラクター。それをデンゼル・ワシントンが完璧に演じている。
こんなに強くていいのかよという主人公は『ダイ・ハード』で散々見たが、『ダイ・ハード』でブルース・ウィルスが演じたのは親しみやすいキャラクター。この『イコライザー』でデンゼル・ワシントンが演じるのは、潔癖で几帳面な、逆に親しみにくいかもというキャラクターが面白い。
とにかくアクション映画が好きな人は見て損はない。2時間を越える映画だが、それを感じさせない緊張感がある。アクション・シーンがかなりの分量なので、アクション映画に興味のない人は是非パスして下さい。
★★★★★ (5/10)
『イコライザー』予告編