フード映画が苦手な私が鑑賞した日本公開未定作品『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』がなかなか面白かった。これは『アイアンマン』監督のジョン・ファヴローが監督・主演をした作品。
カリスマ・フード・ブロガーの来店日に、新メニューを試そうと意気込むロサンジェルスのスーパー・スター・シェフに、オーナーは人気定番メニューを出さなければクビにすると宣言。結局、その日の料理はフード・ブロガーに酷評される。そして後日、リベンジを図ろうとそのフード・ブロガーを招待するも、またもオーナーと衝突してシェフは辞めてしまう。職を失ったシェフが再起を図って始めたのが、彼の原点であったキューバ料理をフード・トラックで提供すること。マイアミからロサンジェルスまで元同僚や息子と旅しながら、彼らのフード・トラックがどんどん話題を呼んで．．．という展開。
興味深いのは、SNSやインターネット・メディアが重要な脇役ということ。シェフがレストランでブロガーを怒鳴り付ける様子がYoutubeで流されたり、シェフとブロガーのツイッター上での口論がリツイートされまくったり、息子がフェイスブックやツイッターを駆使してマーケティングしたり、1秒の動画をつなぎ合わせるアプリを使って旅の思い出を記録したりといったもの。それらがかなり「イマ感」を演出している。
結局は予定調和のハッピーエンドではあるが、息子の活躍ぶりと離婚して離れていた父親とお互い理解し合うところがポイント。観て損はなし。
★★★★★★ (6/10)
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』予告編