
映画『サウスポー』観賞。
Great Movie。これは現代版『ロッキー』('76)であり、現代版『チャンプ』('79)である。
監督のアントワーン・フークアの作品では、デンゼル・ワシントンにアカデミー主演男優賞を授けた『トレーニング・デイ』('01)も、同じデンゼル・ワシントン主役の前作『イコライザー』('14)もそこそこ。それでも大きく期待したわけではなかった。
それを観る気にさせたのは、最近絶好調のジェイク・ジレンホールのキレギレの演技が観たかったため。日本では「ギレンホール」と表記されることもある彼の名前は、アメリカでは「ジレンホ―(ル)」という発音で通っているが、その名前はスウェーデン系で、本国スウェーデンでの正しい発音は本人によれば「イーリンヘイロ」らしい。彼の近作の『エンド・オブ・ウォッチ』('12)、『プリズナーズ』('13)、『ナイトクローラー』('14)はいずれも観るべき作品。
ジェイク・ジレンホ―ルの演技の出来は期待通りだったが、作品がよかったのはいい意味で期待が裏切られた。
主人公は、打たれることで燃え上がるインファイター系ボクサーのビリー・ホープ。世界チャンピオンとして頂点にいた彼が、自分の軽はずみな行動から、最愛の妻を失ったことをきっかけに、結局全てを失ってしまう。その超どん底からはい上がる話。
ボクシングをテーマにした成功譚といえば、『ロッキー』がローモデルを設定したが、その『ロッキー』ではただの借金取りがチャンピオンにという出来過ぎ感があった。この作品でもテーマは共通するが、彼は元世界チャンピオン。ということで、ストーリーの出来過ぎ感は自分の中では解消(無理やり?ww)。ただ防御をしないボクサーが無敵のチャンピオンというところがどうなのというのはあったが。勿論インファイターのボクシングは観ていて面白いし、それが実は映画では重要な伏線にはなっている。
どん底からはい上がる時の起爆剤となるのが子供の存在であり(それが『チャンプ』との共通項)、やはり子供がけなげという作品は泣けるわー。
ということで、最近のアクション映画の中では出色の出来。ボクシングシーンの迫力は、『ロッキー』の時代からは映像技術の進歩を感じる。お勧めです。
★★★★★★★ (7/10)
『サウスポー』予告編