こんにちは!TABLE FOR TWO筑波大学の修士2年のファーストこと中村です!
すっかりTFTでは圧倒的古株になり、いよいよ来年からはつくばを離れて社会人になります(…無事修士論文を書いて卒業できたらですが。)


他大のTFTは文系理系の比率で言うと文系の人が多いのですが、筑波大の場合は大部分がなぜか理系の、農学系(生物資源学類)の学生が多いです。
他大の方や後輩から、「農学部でどんな勉強するの?」「大学院でどんな研究するの?」という話をされます。

今回の僕の担当する投稿では、自分の研究材料と絡めて食文化に関する話も少ししたいと思います



さっそくですが、僕は野菜「アマランサス」を研究材料にしています。
皆さんもしかしたら「アマランサス」という名前は雑穀として聞いたことがあるかもしれません。

はくばく 雑穀クッキングクラブ アマランサス120g×8個/はくばく

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こんな商品が時々スーパーで売られています。日本の場合だと、お米に混ぜて炊いて食べるのが一番簡単かと思います。

穀物アマランサスは「スーパーグレイン」と呼ばれ、日本だけでなく世界中で注目されている穀物です。


一方、僕が研究している「野菜としてのアマランサス」は日本ではかなりマイナーですが、東南アジアやアフリカではポピュラーな野菜です。日本の一部地域(岐阜など)でも、地域の特産品として売り出そうとしています。

そもそもアマランサスは分類学上、「ホウレンソウ」の親戚です。そのアマランサスの葉っぱはホウレンソウに近い質感があり、同じ調理法ができます。おひたし、スープ、炒め物など…

多様な色が特徴です。



野菜アマランサスの良い点は
・「リジン」などの必須アミノ酸が豊富
・鉄分、カルシウムなどのミネラルが豊富
・アレルギー反応が非常に少ない
・アンチエイジングに役立つ「抗酸化物質」が豊富

ですが、野菜アマランサスは農家さんにとっても非常にうれしい特性を持っているのです。
今の日本ではハウス栽培や輸入が盛んなので「旬」に対する考えが薄くなっていますが、夏場に収穫できる葉野菜はほとんどありません。コマツナしかないです。ホウレンソウ農家は秋~春が忙しい時期ですが、空いている夏場の時期に簡単に栽培のできる野菜アマランサスを導入できないか…と考えています!

次の良いポイントは栽培が簡単な点です。肥料も少なくてよく病気もない、水やりするだけで20日~30日で収穫できるのです!

あえて欠点を挙げるとすれば
・味がない。
・茎が太いため出荷しにくい
などがあります。今後この2つのポイントを改善していくために品種改良をするのが、僕たちの研究課題です!

具体的に僕の研究では、多様な形態のを持つアマランサスを栽培し、形態やDNA配列を比較、整理することで、今後の品種改良を行いやすくする基盤整備、「準備」をおこなっています。
十年後、二十年後には日本中のスーパーでアマランサスが売られるようになることが僕の夢です!



さて、僕の研究の話ばかりここで書いてしまいましたが、アマランサスに限らず、新しい野菜や穀物に対して興味を持っていただけると幸いです。

日本で今頻繁に食べられている野菜の多くは明治以降か戦後に日本に入ってきた野菜で、例えばブロッコリーに至っては30年ほど前から日本でも食べられるようになりました。

私たちが当たり前だと思って食べている日本食の一部は、実はここ100年以内にできたものなのです。
これは日本食だけでなく、世界中でも同じです。
例えばトウガラシはアメリカ大陸原産なので、コロンブスの時代以降に生まれたものです。辛いので有名なインド、中華、韓国などで頻繁に利用されているトウガラシを利用する食文化は500~400年前にできたばかりです。

https://kotobank.jp/word/%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%B7-769845より


実は世界中の食材、食文化は昔から今でも交流され続け、変わり続けているものなのです。

世界中で使われている野菜や香辛料などの食材の歴史や特徴を調べてみると、面白い発見があるかもしれませんよ。



長文になってしまいました…ここまで読んでくださりありがとうございました!

by ファースト