日本の明治、大正期に活躍した画家で装丁デザイナーで詩人でもあった竹久夢二は、1884年生まれである。1905年に早稲田実業学校を中退すると同時に、「夢二」というペンネームで作品を発表し始めた。早熟な天才と言えるだろう。夢二の絵は、多くが旅行、聖書、女性をテーマとしている。彼が描く女性は姿態が優雅で、優しく愛情に溢れ、ぼんやりとした美しさを備えており、「夢二式美人」と呼ばれて30年代に大変流行した。緑の山々と青い水をたたえた川、そしてその前に立つ素朴な服装の女性。子どもの手を引いてはいるが、川の中を漂う船の灯りを一心に見つめている……このぼんやりとした温かさの中には、かすかな寂しさも感じられる。シンプルな画風だが、誰のものとも異なる深い情感が人々を引きつける 夢二の代表作には、「春の巻」「長崎十二景」などがある。彼はまた、「読売新聞」「都新聞」などの新聞や雑誌に挿絵を描き、「青い船」「どんたく絵本」などの挿絵作品もある。また、詩人としての作品も多く、代表作は「宵待草」「夢のふるさと」などで、これらは歌として広く人気を集めた。夢二の作品は純粋な芸術と、デザイン・工芸などの実用美術との間の垣根を取り払い、東洋画壇に新しい時代を開いた。彼のデザインは本の表紙や挿絵、屏風から、名刺、浴衣、茶碗などにまで及び、才能豊かで、芸術とビジネスを完全に結合させたアーティストであった。 さて、みなさんもこの画家の作品を直接見てみたくなったのではないだろうか?もし今、日本から離れたところにいたとしても、竹久夢二の作品を見ることは難しくない。2011年11月に新星出版社が「竹久夢二名作原寸復刻集」を出版したのだ。これは中国国内で初めてまとまった形で出された夢二の作品集で、45の名作が収録されており、油絵、水彩画、版画など種類も多彩だ。さらにすばらしいことに、すべての作品が原寸大なのでオリジナルの味わいを鑑賞することができ、しかも一枚ずつに分かれているので、好きな作品を選んで額装することもできて、収蔵価値が非常に高い。絵画や夢二作品が好きな方は、是非この機会を逃さないように! |
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