「いちご電車」「おもちゃ電車」「たま電車」は、和歌山県を走るちょっと珍しい看板電車である。名前を聞いただけで、何だかカワイイ。三つの電車の中で、「いちご電車」が最も早く運行を開始した。デザインを担当したのは、有名なデザイナーの水戸岡鋭治さんである。白い車体に可愛らしいイチゴが散りばめられ、車内の床は木で出来ていて、座席にもイチゴの図案がプリントされ、温かい気持ちにさせられる。三つの電車の発車時刻表、路線図、料金などは、和歌山電鐵株式会社のサイトで調べることができるが、よく見るとこのサイトでも、あちこちにイチゴのマークが見られる。これは、貴志駅周辺の特産がイチゴであるためだ。 「おもちゃ電車」は和歌山市と貴志駅の間を走っており、真っ赤な車体には「OMODEN」と書いてある。外観が珍しいだけでなく、「おもちゃ電車」は世界記録も持っている。何とこれは、世界初の車内にガチャガチャマシーンを設置した電車なのである。さらに玩具を展示した棚やベビーベッドもあって、車両が移動する室内遊戯場になっている。子どもも楽しく遊べるし、大人も足を止めて見てみたくなる楽しさだ。 「たま電車」は運行が始まったのは最も遅いが、名前は早くから有名だった。和歌山の貴志駅の駅長は三毛猫の「たま」である。この駅長は若く見えるが、実は12歳で、人間なら60歳か70歳ぐらいに当たる。今年は「たま」が駅長になって五年目である。彼女は毎日9時から5時まで出勤し、日曜はお休みだ。今年の1月5日に、「たま」は部下を迎えた。まだ1歳の三毛猫で、駅長によく似ていることから、「ニタマ」と名付けられた。今後は子猫の「ニタマ」が日曜日の出勤を担当する。そろそろ高齢になった「たま」に、後継者ができたというわけだ。「たま電車」の車内には猫の装飾があちこちに見られるが、何と「たま」の絵が101もあるのだそうだ。木でできた座席の背もたれも猫の形になっている。猫好きのみなさんは、是非出かけてみてほしい! |
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