奇跡の一本松の再生 | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

東京に暮らす中国人が見た、リアルタイムのこの国のすべて・・・






岩手県陸前高田の高田松原は、日本百景の一つとして讃えられてきた。この松林は約350年前に農作物を海風から保護するために植えられた防風林で、毎年多くの観光客が訪れていた。数万本の松の木が、職務に忠実な警備員のように2キロにわたって整然と弓形に並び、海岸線にしっかりと立って壮観な独特の風景を形成していたのだ。だが昨年の3月11日の東日本大震災の後、ここは「奇跡の一本松」と呼ばれる松によって多くの人の注目を集めることになった。

今回の巨大津波によって、ほとんどすべての松の木が難を逃れることができず、あちこちに木の残骸が散乱する悲しい風景が広がることになった。ところが、一本の松の木が、この災難にも負けることなく自分の生えていた土地の上に立ち続けていたのである。そのため、この木は人々に「奇跡」と讃えられ、災害からの復興を象徴する希望の木として期待されたのだった。しかし残念なことに、すでに270年の高齢であったこの松の木は、生き残ったものの、根が塩分の高い地下水に浸されて腐り始め、12月中旬には日本緑化センターが、松の木を救うために全力を尽くしたが救うことができなかったことと、現在木の幹を保存して記念碑にするなどの具体的な計画を進めていることを発表したのだった。


だが実は、地震発生直後から、住友林業株式会社がこの松の苗の育成を行っていたのだ。そして12月14日に東京で記者会見を行い、18本の「奇跡の一本松」の苗の育成に成功したことを発表した。種による普通の栽培だけでなく、彼らは挿し木、接ぎ木、組織培養などの様々な方法を試み、接ぎ木による3本のクローン苗を育成した。また、種から生育した苗は、作業員たちの努力のおかげで、すでに4センチにまで伸びている。順調に行けば、これらの苗は今年の春には温室に移され、次の春には畑に移される予定である。約7~8年をかけて苗が30~50cmになったら、陸前高田市内に移植することができ、高田松原の以前の面影を回復させる期待が生まれてくる。


この九ヶ月の間、「奇跡の一本松」は被災者たちの精神的支えとなってきたが、最後に子孫を残す使命を終えた後、ついに倒れることになった。だが、一本松の精神は復興に向かう人々を永遠に励まし続けることだろう。今年の「創作四字熟語」で、「一松懸命」が優秀作10編に選ばれたことは、この奇跡の一本松の強い生命力に対する深い賛辞と敬服の気持ちの表れであるに違いない。














住友林業/ニュースリリース http://sfc.jp/information/news/2011/2011-12-14.html