日本に湧き上がる「震災婚」 | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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3.11東日本大震災が起こって、家屋や道路などの眼に見える変化だけでなく、日本人の心情にも多くの微妙な変化が生まれている。4月以降、ある言葉が人々の生活の中に静かに登場した。それは「震災婚」という言葉である。「震災婚」とは、読んで字のごとく、震災が促進した結婚のことだ。この言葉は、ジャーナリストの白河桃子さんが書いた「震災婚-震災で生き方を変えた女たち ライフスタイル・消費・働き方」から生まれた。

実は、白川さんは以前、中央大学文学部の山田昌弘教授と共著で、「『婚活』時代」という本を出版している。この本は、2008年に発売されてから、テレビ、雑誌、新聞など、各界で大きな反響があり、発行部数は19万に達し、さらに2009年には連続ドラマになって、「婚活」という言葉はその年の流行語大賞を獲得した。


今回出版された「震災婚」は、婚活の専門家である白河さんが再びペンをとり、今回の大震災を体験した人々、特に女性たちの結婚、恋愛、婚活、消費、働き方などの変化を通して、地震が人々に与えた心理的な影響を探究したものである。データによれば、4月1日からわずか19日間に、新宿高島屋の婚約指輪の売り上げは前年の4倍増となり、挙式サービス会社のワタベの4月の結婚写真サービスの売り上げは前年より2割増えている。また結婚相談所や婚活会社への資料請求、入会、そして結婚に至る数が急増している。多くの夫婦が、写真で彼らの最も美しい思い出を残すことを希望している。こうして今回の震災で、多くの女性たちが真剣に結婚相手を探し始めたのだが、一方では緊急時にパートナーに失望させられて自分の気持ちを見つめ直し、別離、離婚に踏み切った人も少なくない。


「震災婚」では、様々な女性が体験したそれぞれの物語を紹介している。例えば、地震で夫と合わないことに気づいて離婚を選択し、同時に自分に合った男性にめぐり会って新しい人生を始めた女性がいる。また、地震が起こったときに元カレから連絡が来て、自分にとって大切なのは誰なのかに気づき、復活愛となった女性もいる。さらには、ふだんは強いキャリアウーマンに見えた女性が、地震のときに自分の弱いところを男性に見せられるようになって、今までとは異なるタイプの男性と付き合い始めたという話もある。白河さんは独自の目で、震災後の人々の生活における様々な幸福を捉えている。たとえ何が起こっても、幸福は消え去っていくのではなく、また別の形で続いていくのだろう。














Discover21/「震災婚」 http://www.d21.co.jp/products/isbn9784799310687