電車の座席でもないのに、今までに24メートルもの長いソファなどあっただろうか?横浜美術館の回廊には真っ赤な長いソファが設置され、同時に50人も坐れるのだそうだ。こんなに長いソファが置かれているのには、実はわけがある。2001年にヨコハマトリエンナーレが始まってから十年が経った。今年は第4回目であり、「みる」「そだてる」「つなげる」が理念となっている。そこで、現代美術を通して人と人との交流を促進するために、横浜美術館とデンマークの家具メーカー「BoConcept」が提携して、この長いソファを設計した。隣同士になった人たちが、会話によって交流して、お互いの距離を縮めてくれるようにとの企画である。
ヨコハマトリエンナーレは、横浜美術館と日本郵船海岸通倉庫(BankART Studo NYK)を主な会場とし、国内外の78名の現代アーティストによる250以上の作品を展示している。これらのアート作品をすべて見ようと思ったら、一日では足りないだろう。館内の展示作品だけでなく、横浜美術館の正面に並べられた12個の立体作品も大きな鑑賞ポイントだ。高さ2メートルの像は一年の12ヶ月を表している。これらの彫刻はスイスのアーティスト、ウーゴ・ロンディノーネの手によるものだ。ユーモラスで可愛いと思う人もいるだろうし、歯をむき出した顔を恐いと感じる人もいるかもしれないが、自分の生まれ月の彫刻がどんな造型になっているかを見るのもなかなか面白いだろう。海岸通倉庫は1階から3階が展示会場になっていて、アーティストたちの様々な作品を見ることができる。
二つの大きな会場以外でも、美術館から出発して徒歩でヨコハマ創造都市センター(YCC)に行く途中の道で、島袋道浩の巨大作品「人間性回復のチャンス」が見られるし、特別提携会場である新港ピアと黄金町も訪れる価値がある。トリエンナーレは一つの交流プラットフォームであり、単に作品を陳列したものではないのだ。イベント期間は2011年8月6日から11月6日まで、11時から18時まで開放されている。次第に夜のとばりが降りてくる頃、みなとみらいの大観覧車を見上げると、灯りが夜空の下にきらめいている。ここの夜景も一つのアート作品として、訪れた人々に「OUR MAGIC HOUR」を楽しませてくれるのかもしれない。
 
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