「今日はなんでもできそう」

そういって、彼女も足を伸ばしてきた。
彼女も6杯目の熱燗をすすった。
唇を端につけ、ジュルと音をたててすすった。

「わざと音たてた?」
お皿に盛られたあわびを箸でつつきながら、
足をもうひとつ先に伸ばした。
親指の先を柔らかい内股にゆっくりと伝わせた。

お膳の下の彼女は無防備だった。
なま温かくて、湿った感触が足の先でわかった。
刺激が体の真ん中に伝わってきた。
彼女が笑った。頭を下げてのぞいてみた。
浴衣の胸もとがはだけていた。
和室に二人きりだった。外でコオロギが鳴いていた。
白熱灯の黄色い光が縁側の窓ガラスに映っていた。

仲居さんが出て行ってから、ソワソワしてばかりだった。
胸がいっぱいで、前菜に箸をつけた程度。
料理にはほとんど手をつけられなかった。

6杯目のお酌で緊張がほどけた。
お膳の下で足を伸ばした。
伸ばした先で、彼女の浴衣のすそをつまんだ。