ベッドで1人だった。
眠っているふりをした。
彼女は白いゴワゴワした厚いバスローブ姿。
ベッドの横を通り過ぎた。
髪を濡らしたまま窓のそばに立った。
カーテンに指を掛けた。

 きれいな月

そう聞こえた。
息を殺した。
エアコンの音だけが小さく静かに響いていた。
窓の外が明るかった。
後ろからながめる彼女の体がどんどん細くなっていくように見えた。

 こっちに来て

はっきりと聞こえた。
その瞬間、バスローブが彼女の両肩から落ちた。
ベッドから身を起こした。
シーツがカサカサと音を立てた。
川に近い部屋だった。浅い川。
底に四角い石が並ぶ古い川。
街の外れ。山に近かった。

窓のカーテン越しに
明るい月が見えた。
深い黒の山の端の上には、
薄明るい夜空が広がり
右上に月が輝いていた。
飲み残したビールの香りがほんの少し、
部屋の空気にとけ込んでいた。

夜。交わった。

彼女の柔らかい肌と体の丸みが
月明かりに映えた。
ゆっくりと体を動かす彼女を下からながめた。
彼女はたっぷりと味わった後、果てた。

そのまま彼女を後ろから抱きかかえた。
どれくらいが過ぎたのかわからなかった。
まだ夜空だった。浴室の扉が開く音で夢が覚めた。

ホテルのベッドに
二人で寝ていたことに
気付くまでに
少し時間がかかった。
顔を髪で隠し、彼女はうつ伏せた。
お尻に左の掌をのせた。
浴衣を通して、肉が掌をやさしく押し返した。
盛り上がったお尻の浴衣の上に
右手の徳利から酒を垂らすと、
染みになって浴衣の上に広がった。

唇を押し当てた。
にじんだ酒を吸った。
ジュルジュルと音が響くようにして吸った。

お尻の肉が唇を押し返した。舌を押し返した。
左右の膨らみの谷間にはあごをねじこんだ。
そして、また、吸った。食らいつくように顔を振った。

くすぐったい・・・。

そういって、彼女は仰向けになった。