「区切り文字で結果が違う、英文比較例」からの続きです。
図面を示す「Fig.」のピリオドがゆえに、区切り文字としてピリオドを使うと欲しい比較ペアができませんでした。
それなら、どうすればピリオドを適切に区切り文字として使うことができるのか?
答えは、区切りになっては困るピリオドだけ、あらかじめ全角に置き換えてしまえばよいのです。
たとえばWordの文書上で、次のようなワイルドカード置換を実行します。
検索する文字列:F([IiGgSs]{2,3}). ([0-9]{1,})
置換後の文字列:F\1. \2
この検索・置換文字列で、Fig.、Figs.、FIG.、FIGS.の4パターンに1回の置換で対応できます。
ワイルドカード置換は、Wordの置換ダイアログで「ワイルドカードを使用する」にチェックを入れるだけの簡単操作です。
前回、改行を区切り文字にしてピリオドの問題を回避しましたが、これだと一致した部分の位置が横に揃わなくなります。
かたやワイルドカード置換後にピリオドを区切り文字にすると、下の画像のように、位置が揃います。
(比較結果の表示設定を「一文ずつ揃える」にした場合。)
ほんのひと手間かけているだけですが、特にフィードバック原稿と自分の翻訳文を比較する場合など一文ずつ左右に並んでいるほうが、直感的にわかりやすいと思います。
Fig.とそれに続く数字との間が開きすぎていると感じる人は、置換後の文字列で半角スペースを削ってもよいかもしれません。
数値の小数点が問題になるのであれば、たとえば次のように記述します。
検索する文字列:([0-9]{1,}).([0-9]{1,})
置換後の文字列:\1.\2
毎回ワイルドカード置換の検索条件を記述するのが面倒な場合は、置換の実行をショートカットキーに割り当てるか、仮名漢字変換システムに単語登録してしまえばよいでしょう。
具体的な方法については、次回に。
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