最初の音楽はMPB(エメ・ぺー・べー)【Música Popular Brasileira】の至宝、ミルトン・ナシメント【Milton Nascimento】が「A&M」系列の音楽レーベル「CTI」【Creed Taylor Issue】からリリースしたアルバム『COURAGE』のオープニング曲『Bridges』。陽光が射し込んでくる、夏の目覚めに相応しい音楽。それにしても何て瑞々しい音楽なのか、と。
🎨天才パブロ・ピカソ【Pablo Picasso】(1881~1973)が描いた「夏」。
🎨1922年に描かれた新古典主義時代の傑作のひとつ『海辺を走る二人の女』【Deux Femmes courant sur la place】。自由な空気と生へのエネルギーが溢れかえっていて力強く、なのに柔らかい。
🎨この音楽にぴったりな大好きな絵を。イギリスの海辺の街ブライトン(映画『さらば青春の光』でMods vs Rockersの闘いの舞台となったことも)で活動する女性アーティスト、キャスリン・マシューズ【Kathryn Matthews】。女性ならではの感受性に溢れた音楽的な風景画はとにかく色彩が素晴らしくって。しばらく眺めていると。どこからともなく音楽が聞こえてきて、絵の中に入り込んでしまいたいと思えるほど。
エヴリシング・バット・ザ・ガール結成前にトレーシー・ソーン【Tracey Thorn】が1983年にイギリスの音楽レーベル「Cherry Red Records」からリリースしたソロ・アルバム『遠い渚』【A Distant Shore】から『Simply Couldn't Care』。海辺で拾い集めた貝殻のように、いつまでも大切にしたい、そんな音楽。
🎦夏の映画も。ゴダールやトリュフォーらよりも年長の、ヌーヴェル・ヴァーグの映画作家エリック・ロメール【Eric Rohmer】が撮った「何も起こらない」映画(それがロメールの映画だということ)『海辺のポーリーヌ』【Pauline à la plage】(1983年)。格言シリーズの中の「言葉多きものは災いの元」(ドラクロワの言葉より。そう。喋り過ぎはよくないのだな自戒を込めて)。海沿いの避暑地を舞台に15歳の少女ポーリーヌのひと夏の恋を描いた作品。主演はアマンダ・ラングレ、アリエル・ドンバール、パスカル・グレゴリー。
フラミンゴでもアヒルでもなくペンギンの音楽を。1979年にブライアン・イーノの環境音楽のレーベル「オブスキュア」からアルバム・デビューし、その後、ポスト・ニューウェーヴ的に迎え入れられたサイモン・ジェフス率いるペンギン・カフェ・オーケストラのセカンドアルバムから『Air a Danser』を。跳ねる感じがとても可愛らしいCOOL MUSIC。
チェット・ベイカーをちょっぴり意識しているような感じもするポップなスウィングを。ノルウェー出身のソンドレ・ラルケ【Sondre Lerche】&The Faces Down Quartetの2006年のアルバム『Duper Sessions』から『Everyone's Rooting For You』。
最後は。プロデューサー兼トランペット奏者マット・ブロック【Matt Block】の、チェット・ベイカーを意識しているようなアルバム・カヴァーの『Strange Harbors』から。ボサノヴァ・テイストな曲『Goodbye』ft.Morton Block , Martina Da Silvaで夏の1日を締め括ろう。