Romantique No.607 『夏の始まりに~ここではない、何処かへ』。 | 『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

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僕が過去と現在、ロマンティークと感じた(これから感じることも)恋や音楽、映画、アートのいろいろなことを書いていきます。

 

 

                     Adieu Romantique No.607

         『夏の始まりに~ここではない、何処かへ』

                      【Not Here , To Somewhere】


 『世界のイラストレーション・アーカイヴ』はお休みして。今回は『夏の始まりに~ここではない、何処かへ』Not Here , To Somewhere】さらに付け加えて『今ではない、いつかへ』Not Now , To Someday


何のこっちゃ、だよねえー? 英訳もデタラメかも、だし。いゃぁ、ほんとジメジメした蒸し暑い日が続いてるよね。そう。夏がやって来る手前の、こんな季節には(と書いて記事をUPしたけど、既に真夏のような陽射しが)クーラーが効いた涼しい部屋で冷たいモヒートでも作ってさ。ひとり夏向きの音楽を聴きながら、イメージの翼をどんどん拡げていく、というような。まぁ、いずれにしても。僕の単なる妄想ごっこうーんに過ぎないけど(毎年、同じようなことをして、同じようなブログを書いているよな)


行き先は「ここではない、何処か」、或いは「今ではない、いつか」それは「現在」「過去」の。「現実」「幻想」の。「こっち側」「あっち側」の。「整然」「混沌」の。自己の「表面」「内面」の。或いは「生」「死」の。それぞれの境界線を超えて自由に行き来することができる、イメージの「冒険」であり、ある意味「楽園」への「旅」のようなものなのかも知れない(相変わらず大袈裟だよねぶー)。


🎨まずは「ここではない何処か」「今ではない、いつか」への入口。アンリ・マティス【Henri Matisseの作品に描かれた部屋の窓から飛び立とう。


音譜音楽を。最近、僕がよく聴いていてハマり過ぎているのはロンドンとバーレーン出身のメンバーが集まって活動するフラミンゴッズ【Flamingods】の、2023年のアルバム『Head Of Pomegranate』から。ギター・リフがめちゃくちゃカッコいい、オープニングに相応しい曲『Adana『Tall Glass』を続けて。中期以降のビートルズを感じさせるこの感じ、この音色。この勢い。Coolな、というよりはサイケデリックで艶かしいけど、いいんだな、これが。



🎨フラミンゴッズ「楽園」のイメージは、マイアミを拠点に活動するアーティスト、ハーナン・バス【Hernan Bas】が描いた作品がぴったり。Strangeで、フラでミンゴ🦩な世界が拡がっている。


🎨これじゃぁ、フラミンゴッズじやなく、フランケンミンゴッズだよねイヒ
🎨「楽園」って。案外、こんな世界なのかもうーん


音譜フラミンゴッズのメンバー、ナイジェリアとジャマイカの血を引くチャールズ・プレストのソロ・ユニット、ヌーン・ガーデン【Noon Garden】のアルバムからタイトル曲『Beulah Spa』を。ヤバい感じと心地良さが同居している。



🎨1950年代から1970年代にかけて活躍した(前回の記事「世界のイラストレーション・アーカイヴ Ⅲ」でもキュレートした)、ジョン・アルコーン【John Alcorn】が描いた「楽園」も。

音譜夏向きかどうかは別にして。ビートルズの1967年のアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』から『Flying』を。マジカルNot Here , To Somewhere Tour』のテーマ・ミュージックとして(なんてねイヒ)。


音譜エクアドル出身の兄弟ユニット、エルマノス・グティエレス【Hermonas Gutierrez】の、2024年のアルバム『Sonido Cosmico』から『L'agrimas Negras』。因みに。セレクトしている音楽のアルバム・カヴァーも、ほとんどが今回のテーマに沿った、とても魅力的なヴィジュアルになってることも伝えておくね。


音譜自らが主演し、監督、脚本、音楽を手掛けた1998年の映画『バッファロー66』の、ヴィンセント・ギャロ【Vincent Gallo】の傑作アルバム『When』から。彼の、囁くような中性的なヴォーカルが魅力的なタイトル曲を。


音譜もともと、この手の音楽をよく聴くようになったのはクルアンビン【Khruangbin】から。すべてはクルアンビンのせいだよね😙。無国籍なくせしてとても個性的な愛の音楽。それじゃぁ「ここではない、何処かのフロアーで踊る」ためのエキゾチック・ディスコ(今、考えました)『Time(You and I)』と、心地良過ぎて蕩けていきそうなサイケデリック・リゾート(これも今、考えました)な曲『So We Won't Forget』をどうぞ。



音譜クルアンビンの音楽はDUBと相性がいい。と、言うような、そんな感じの2019年のアルバム『Hasta El Cielo』から『With All The World』を。

📷️イケてるビジュアルのクルアンビンのメンバー。左からDJジョンソンローラ・リー・オチョアマーク・スピアによる黄金の、変態トライアングル。

音譜さらに。クルアンビンと、アフリカのマリの伝説のギタリスト、アリ・ファルカ・トゥーレの息子、ヴュー・ファルカ・トゥーレ【Vieux Farka Touréとのコラボレート曲『Lobbo』を。


音譜それなら。じゃぁ(Jahと掛けたシャレだよ)、ジャマイカのDUBも。スライ&ロビーバートラム''ランチー''マクリーンらを擁した「Channel One Studio」のハウスバンド、レヴォリューショナリーズ【The Revolutionaries】の1978年のアルバム『Negrea Love Dub』から『Thompson in Dub』を。因みにヴォーカルはリンヴァル・トンプソン


音譜最近のバンド、アーク・デ・ソレイユ【Arc de Soleil】『Mumbo Sugar』。いゃぁ、面白いなぁ。


🎨楽園画の巨匠アンリ・ルソー【Henri Rousseau】が描いた世界を。




音譜『ここではない、何処か』への音楽の源流(なのかな?)。日本が誇る音楽王でありリズム・キングでもある細野晴臣に大きな影響とインスパイアを与え、YMOのデビュー時の音楽的な柱となったマーティン・デニーのアルバム『Exotica』から『Quiet Village』を。
 

🎨同じくマーティン・デニーのアルバム『Exotica volume Ⅱ』から『Island of Dream』。とにかくアルバム・カヴァーが魅力的過ぎ。若い頃にはどっちのアルバムもアナログで持っていて部屋に飾っていたけど、今はもう手離してしまったよえーん


音譜現代のマーティン・デニーだろうか。テッド・フィンガーのソロ・ユニット、モンスター・ラリー【Monster Rally】のアルバム『Botanica Dream』から『Golden Shores』。ただただ、ただただ心地いい。


音譜八重山民謡の歌者、大工哲弘の超大作『蓬莱行』【exo PAI PATIROHMA】から『イリヌミルク』。桑本正史が撮った写真がエキゾチックで、今回のテーマにぴったりなムードに。


音譜プレYMO的な、細野晴臣&ザ・イエローマジック・バンド(後のYMOのメンバー、坂本龍一高橋ユキヒロが参加している)のアルバム『はらいそ』【Paraiso】からタイトル曲を。横尾忠則が手掛けたアルバム・カヴァーも実に魅力的。


🎨まるでビートルズの歴史的アルバム『SGT.ペパーズ~』のカヴァー・アートを制作したピーター・ブレイクの一連の作品のような。サンダ・アンダーロン【Sanda Anderlon】の、いろんなイマージュがてんこ盛りになった楽園コラージュを。




音譜音楽を挟むことに。King Gizzard And The Lizard Wizardのアルバム『ADDMENTS』から『Work This Time』を。

🎨サンダ・アンダーロンの楽園に戻るね。



音譜カリフォルニアの男性二人組ユニット、スレンダー・ボディーズ【Slender bodies】の2019年の曲『Queen』。何だか韓国のインディー・ポップのように聴こえるんだな。

音譜日本のサイケデリック・バンド、幾何学模様【Kikagaku Moyo】の2022年リリースのアルバム『Kumoyo Island』から『Dancing Blue』を。


音譜ビートルズ『Flying』にインスパイアされた曲なのかな?へなちょこなヴォーカルがいい雰囲気を出している、MOON DUO『Flying』を。このアルバムのカヴァーを描いてるのは今、最高にイケてるイラストレーターのひとり(と僕が思っている)、「Paraiso Grafica」を主宰するラフィ・ムハンマド【Rafi Muhammad】。今後、僕が一生懸命書いているシリーズブログ「世界のイラストレーション・アーカイヴ」でも登場する予定。


音譜楽園ディスコか?。レトロ・フューチャー・グルーヴが心地いい、Kraak&Smaak『Naked』ft.IVAR&Berenice Vanlees。幸福感に溢れてるよね。


🎨こんな楽園があってもいいかも。ニコール・アンドリエビッチ【Nicole Andrijevic】ターニャ・シュルツ【Tanya Schultz】が制作した、まるで桃源郷のような世界を。



音譜L.A.音楽シーンの中核、フライング・ロータスの音楽を支えるマルチ音楽家、Teebs『View Point』


音譜もう1曲、とてつもなくStrangeな楽園ディスコティークな曲を。クルアンビンの音楽的なルーツとも言えるタイのファンク・ミュージックYĪN YĪNの2023年のアルバム『Age of Aquarius』からのタイトル曲。女性ダンサーの真顔な感じや硬直したようなDanceなど、イメージの出所が不明なMVがヤバ過ぎ🤢


音譜別に変なものばかりを探している訳じゃないんだケド。元ゆらゆら帝国坂本慎太郎オノシュンスケのコラボレート『ディスコって』【Disco Is】。だけどやっぱり変だし、中毒性があって、しかもCool、みたいな。因みにMVの絵も坂本慎太郎によるもの。


音譜2003年にリリースされたリゾートロニカ(今、考えました。エレクトロニカのリゾート版ということで)な音楽。黒澤健のソロ・ユニット、soraによる傑作アルバム『re:sortから『Pause』『a Caminho do Mar』を続けて。散りばめられたグリッヂ音から、夏の粒子が現れては消えてゆく。



📷️僕の中では。夏が近づくと、必ず聴きたくなる音楽。イギリスのミュージシャンであり、フォトグラファーでもあるスティーヴ・ハイエット【Steve Hiett】。そして彼が撮った写真も、夏が近づくと必ず見たくなってくる彼が撮ったレイドバックした写真も併せて。いいなぁ。やっぱり好きなんだなぁにやり 


音譜彼が1983年にリリースしたアルバム『渚にて』【Down On The Road By The Beach】から『Never Find A Girl』を。ミニマルで緩やかな、この人の音楽を聴いていると、まったく違う時間軸にスイッチしてしまいそう。当然、アルバム・カヴァーの写真も彼が撮ったものだ。
 


 

 


 

音譜キュートなルックスとブロッサム・ディアリーのようなウィスパーで可愛らしい歌声が魅力的なキャット・エドモンソン【Kat Edmonson】。曲はアルバム『Take To The Sky』から『Just Like Heaven』。彼女の歌声を聴きながら天国へ飛んでいってしまおう。


📷️この写真なんかはロックのビジュアル・デザイン集団、ヒプノシスが制作したアルバム・カヴァーみたい。例えば10CCのアルバムに使われてたって言われたら信じてしまうよね。

 音譜もう1曲、スティーヴ・ハイエットの音楽を。先にコンパイルしたアルバム『渚にて』の後、86年頃から10年間ほどの間に録り溜めていた音源(「Paris Tape」と言うらしい)を編集したアルバム『Girls In The Grass』から『Summer Stroll』。リズムボックスにキラキラしたギターの音色が重なり、桃源郷へと誘ってくれる。誤解を恐れずに言えば、僕の大好きなヴィニ・ライリーのソロ・ユニット、デュルッティ・コラムのリゾート版といった感じ。チープだけど、いつまでも大切にしたい、そんな音楽。
 

📷️カラーでもモノクロの写真でも。唯一無二の世界を切り取る写真家ユルゲン・テラー【Juergen Teller】が撮った、今ではない、いつかの「あの夏🌞」。ノスタルジックで眩しい。

 
📷️キャサリン・ハムネット・デニムのためのシューティング。
📷️音楽で言えば80年代にイギリスから登場したネオ・アコースティックの雰囲気と共通するものを感じる、同じくキャサリン・ハムネット・デニムのためのシューティング。イギリスのイースト・ヴィレッジというバンドのアルバム・カヴァーにも使われた、大好きな写真だ。
 
音譜ロドリゴ・アマランチと共にブラジルのビートルズ(なのかな?)、ロス・エルマーノスの中心人物だったマルセル・カメーロ【Marcelo Camelo】。2011年リリースの大傑作ソロ・アルバム『Toque Dela』から、オープニングを飾った、緩やかでフワフワした曲『a noite』


音譜ドイツのエレクトロニカ・レーベル「Kalaoke Kalk」から1998年にリリースされた、ヨルグ・フォラートのソロ・ユニット、Wunder(Wechsel Garland名義でも活動)の唯一のアルバムから。既視感のようなものが現れては消えてゆく、不思議な曲『Look Out For』



🎨スタイリッシュで、とても小さな。こんな「楽園」のイメージがあってもいいよね。


音譜残像のような音楽を。イギリスのスライド・ギター奏者マイク・クーパー【Mike Cooper】 の2005年のアルバム『Rayon Hula』から『Kokoke Nalu』。敢えてカテゴライズするなら、エレクトリカル・エキゾチック・アンビエント・ハワイアン(長過ぎるよーおーっ!)といった感じ。アルバム・カヴァーも涼し気だし、とにかく揺らいでいる。



📷️日本の人気写真家、ホンマタカシ【Takashi Homma】が撮った「楽園」。
 📷️取り敢えず。今回の「ここではない何処か」「今ではない、いつか」への旅を終えたら。ホンマタカシが撮った部屋の窓を静かに閉じよう。
 

何だか。無駄に長い記事になったような気がするな。そもそも「楽園」なんて「意味」「効率」とは対極にあるものだからzzz。まぁ、これはこれでいいやもぐもぐ



それでは、また。
アデュー・ロマンティークニコ