こんにちは。僕のブログ・【アデュー・ロマンティーク】へようこそ。
勢いがある内に前回の記事の続きを。題して『続・忘れようにも思い出せない。昭和の子供カルチャー・アーカイヴ』。
今回もまた、思いつくまま、手当たり次第に書き散らしていきますね。
いつからあったのかよく分からないけど。僕自身が知らなくて、ようやく80年代に知ることとなり結構、ハマった。だから僕的には子供カルチャーではない。「点取占い」。「点取様」。神のお告げか、天からのメッセージか。自分自身にはまったく自覚がなかったことを戒めてくれた数々の言霊。糸井重里のアルバイト説があったほど。悪いけど、子供にはこの奥深さは理解できない。
そう。「感心ばかりしないで、しっかりやろう」と思う。
サンスターから発売された、男の子用の『スパイメモ』と女の子用の『チャーム・ライセンス』。それにしても。何故、こんなものが欲しかったのだろうか、と。それは子供の世界だけの秘密であり、その秘密を男の子用と女の子用に分けていたことにさらなる秘密があったのだと思う。恐るべきサンスターのマーケティング力。
着せ替え人形も、テイストは違っても男の子用と女の子用に分かれていた。タカラの「GIジョー」。着せ替えというか、装備を変えるという感覚に男の子はハマった。その人気のバックボーンにはアメリカのTVドラマ「コンバット」や「特攻ギャリソン・ゴリラ」があったんじゃないのかな。
タカラの「リカちゃん人形」は現在まで続く壮大な家系図的ワンダーランド。歴代のリカちゃんがいるので、人によって、また世代によって思い入れは違うのだと思うな。取り敢えず、年季が入っていそうな「リカちゃん人形」と「リカちゃんハウス」を。
「昭和」の数々のTVドラマやアニメをいったいどんなTVで見ていたかというと。カラーテレビなら日立「キドカラー」だった。家具調の重厚なデザイン。居間にどっしりと鎮座していた。因みに、チャンネルは「回す」時代であり、そのチャンネルは次第に緩くなってくるので小さな三角定規などを差し込んで固定する必要があったカッコワルイナ―。
今回もなるべく昭和の女の子カルチャーにも目を向けようと思って書いている。このアニメもそう。女の子向けだったTVアニメ『ひみつのアッコちゃん』。だが、しかし。実は男の子も案外、好きだったんだ。
「ひみつのアッコちゃん」のテーマ曲とエンディングの「すきすきソング」を。
女の子に高い人気があったオモチャ、「アッコちゃんコンパクト」。これはさすがに男の子は持っていなかった。女の子はみんな鏡を見ながら、その変身願望を呪文に託した。「テクマクマヤコン テクマクマヤコン ジャイアント馬場になぁれ」と(おっと。これは石橋と木梨の「とんねるず」時代の漫才のネタだ)。そして元の自分に戻るときの呪文は「ラミパスラミパスルルルルル」だった(とんねるずのネタではジャイアント馬場になった後、元の自分に戻ろうとするけど、なんせジャイアント馬場なので「バミパスバミパスパパパパパ」という具合に、活舌が悪過ぎて元に戻れないというオチがあった)
🎦ここで、昭和の子供たちに深く、強いインパクトを与え続けてきた怪獣たちを。
ゴジラを筆頭に、キングギドラやモスラ、ラドン、エビラ、ゴジラの息子ミニラやサンダとガイラなどの東宝の怪獣が子供たちの心を捉えた。他にも松竹の宇宙大怪獣ギララ、大映のガメラやバルゴン、ギャオス、ギロン、バイラス星人。そして日活の大巨獣ガッパも。
🎦東宝映画『フランケンシュタインの怪獣~サンダ対ガイラ』のポスター。「善」の心を持ったサンダと「悪」の心に支配されたガイラの対比。子供たちもまた自分の心の中で「善」と「悪」の相反する価値観と葛藤したのである。
でも。やっぱり僕が一番、大好きだったのは、初代ウルトラマンの怪獣。怪獣の造形は現代アートに接近していると思うし、キャラクター設定、ストーリー性においても群を抜いている。
亡霊怪獣「シーボーズ」。怪獣墓場を漂う怪獣たちの悲哀が描かれた。
油獣「ペスター」。コウモリをヒントにデザインされ、その羽根にはヒトデのイメージが付け加えられた。
2次元怪獣「ガヴァドン」は、子供たちの落書きが怪獣となった。可愛い落書きから生まれた「ガヴァドンA」。
脳波怪獣「ギャンゴ」。配色がまるでスペイン・カタロニアのアートのよう。
実相寺昭雄の監督作品「四次元怪獣ブルトン」。ブルトンの名称は、もちろんシュルレアリスムの法王アンドレ・ブルトンから。自分の名前が怪獣に付けられて、こんな造形になっていることを知ったら、あの厳格なブルトンはどんな顔をするのかな。因みに後ろに写っている逆三角形の建物は「科学特捜隊」(略して科特隊!)の本部。
多々良島出身のピグモン。分厚い唇がかわいい。レッドキングが投げつけた石の下敷きになって絶命した時には、涙がこぼれるのを我慢するのが精一杯だった。因みに怪獣図鑑によるとピグモンは身長1m、体重は約10kg。軽すぎるな、と思いつつ、ウルトラマンは身長40m、体重35,000トンだ。ウルトラマンが何で出来てるかは知らないけど、あのスレンダーな感じじゃ、どう見ても数千トンだろう。重過ぎて、それでは地球を救えない。
怪獣から一転。スポーツだ。東京タワー所属の、超人気プロ・ボウラーだった中山律子が推薦したエポック社の「パーフェクト・ボウリング」。
中山律子の魅力が全開した、花王「フェザー」シャンプーのCMを。中山律子と共に並木恵美子、須田開代子、石井利枝らがボウリングの人気を支えた。
ボウリング・ブームに乗っかって。ボウリングの世界を描いたTVドラマがあった。新藤恵美が主演した「美しきチャレンジャー」。
新藤恵美が歌った、そのテーマ曲を。作詞は岩谷時子、作曲は筒美京平。
ボウリング・ブームの後にやってきたスポーツがローラーゲーム。「日米対抗ローラーゲーム」ではショー的な肉弾戦が激しく、アメリカ人のヒール役、インデアン・パーカーが居て結構、夢中で見ていた。とにかく佐々木陽子と綾部圭子が在籍した東京ボンバーズの人気が凄かったんだ。
アメリカ発のオモチャを。人生の明暗をかけて。ただのゲームなのに結構、本気で入り込んだ。今でも更新され続けている不滅のボードゲーム「人生ゲーム」。僕にとってはこのパッケージ、この仕様のものが決定的に懐かしいのだ。
アメリカへの憧れなのか。突然、猛烈な勢いで日本中で大ブームを巻き起こした「アメリカン・クラッカー」。紐が絡まって解くのが大変だったり、ボールが硬いので顔面を直撃すると相当、痛かった。
正式名称は「スリンキー」。「トムボーイ」とか「レインボー・スプリング」とも呼ばれている。僕はその構造から「まる虫」と読んでいた(構造は全然、違うぞー)。これはどんな経緯で流行したのか分からないけど、このただのバネを階段に置くと、あーら不思議、バネが勝手に階段を下りていくのであった。それが面白いのかどうかも分からなかったけれど、子供心に物理学的な美しさを感じたのではなかったか。因みにこの「スリンキー」を2つ持っていて、その2つが絡み合ってしまうと物理学的にどうすることもできなかったんだな。
色がカラフルでPOPなゲーム「ツイスター」。女の子を交えたグループなら楽しそうだけど、僕は兄貴と絡み、もつれ合っていたので、それほど楽しくなかったかも。
ここでいきなり。昭和の男の子における「お色気」カルチャー、或いはピンクカルチャーについて。
昭和の、小学校の高学年頃から中学生の男の子の頭を割って覗いてみると、だいたいはピンク色でできていた。そう。今とは異なり、情報が圧倒的に少なかったため、知識もないまま、好奇心にまかせて「H」な妄想だけを膨らませた結果、ピンク色に染まってしまったという訳である。
しかしながら。捨てる神あれば、拾う神あり。「昭和」には大らかなところがあり(というよりはテキトーだったのだ)、頻繁ではなかったにしろ、TV番組の中で女性の胸が見えることがあったので、昭和の男の子は…(人のせいにばかりしちゃだめだ(点取占いみたいだな))いや、つまり僕は、そういう番組を密かに楽しみにしていた訳だ。だって。「頭の中がカユいんだ」もん(中島らものエッセイのタイトルからの引用)。
女性からのリスペクトはもらえないという覚悟で、ちょっぴり「H」で「ボイン」な番組の紹介を。
「プレイガール」。おネエこと、沢たまきを中心にしたプレイガールたち。初代メンバーは應蘭芳、緑マコ、真理明美、桑原幸子、ハンザ・摩耶こと范文雀。そして徐々にメンバーが入れ替わりながら、八代万智子、大信田礼子、西尾三枝子、高毬子、浜かおる、片山由美子、ひし美ゆり子、深田ミミ、渡辺やよい、八並映子らがミニスカートを履いて大暴れをしてくれる時のパンチラシーンに目が離せなかった。
因みに。ゲストに玉川良一や由利徹が出演すると何故だか温泉での女性の入浴シーンが挿入されることが多くなるので、そこは絶対に押さえておきたい(ここ大事。試験に出ますよー)。
「プレイガール」のワンシーン。ウルトラセブンのアンヌ隊員役だった、ひし美ゆり子と片山由美子。
🎦音楽は山下毅雄。今、聴いてもGroovyでカッコいい。
🎦テーマ曲が変わっても、カッコ良さは変わらなかった。
「11PM」は大人向けの情報番組。月~金まで毎日、PM11:15から放送されていた。月、水、金は日本テレビの制作、火、木は読売テレビ制作だった。印象的な司会は月曜が大橋巨泉と松岡きっこ。火曜と木曜が藤本義一と真理アンヌ(初代は安藤孝子。真理アンヌ以降は、岸じゅんこ、東てる美、横山エミーなど)。水曜が愛川欽也と秋川リサ。金曜は大橋巨泉と朝丘雪路。新聞のTV欄には番組内容を過剰に伝えるサブ・タイトルが載っていた。例えば「11PM/スウェーデン・北国ポルノ紀行」(あくまでもテキトーだけど)というサブタイトルを見てしまった朝はもうドキドキでいっぱいになったんだ。もちろん、そんな番組を子供が堂々と見れる訳もなく。当然、視聴は親に隠れて。音も完全に消して。
因みに、スウェーデンがテーマの時だった。裸の女性が馬に乗っているシーンが何度か流れ、「愛と自由の国」みたいな放送のされ方だったこともあり、単純な僕はスウェーデンの人はみんな裸で馬に乗っているもんだと思い込んでしまったのだ。「いつかスウェーデンに行きたい」。そんな妄想に取り憑かれてしまったのだった。ほんと、アホだ。
オープニングとエンディングを。音楽は三保敬太郎。シャバダバな、とてもカッコいいラウンジ・ミュージック。
人気番組「時間ですよ」は銭湯が舞台なのでストーリーとは関係なく、銭湯でのヌードシーンが挿入されていた。女性のヌードがゴールデンタイムのごく普通のTVドラマで放映されていた、そんな昭和の時代。「いい」か、「悪い」かで言えば、決して良くはないんだろうけど、現在のようにそういう規制はどんどん厳しくなっているのに、NET上ではそういう画像や情報が垂れ流しになっている状況が果たして正しいと言えるんだろうか、と。
「時間ですよ」の初代シンデレラ(その前には西真澄がいたけどね)天地真理が堺正章と(堺正章の曲)「涙から明日へ」をデュエットするシーンを。
ユニオン映画制作の、石立鉄男主演のTVドラマ・シリーズはどれも人気があった。当時、石立鉄男ってイケメンでもなんでもないのに、岡崎友紀との人気ドラマ「おくさまは18歳」にも主演したり、飛ぶ鳥を落とすくらいの勢いがあったんだと思う。
石立鉄男&ユニオン映画シリーズの第1弾「おひかえあそばせ」五女役の鳥居恵子が可愛かったんだな。
シリーズ第2弾の「気になる嫁さん」。主演の榊原るみのファンなり、ファンレターを書いて送ったら返事が返ってきた。マジックでサインが書かれただけのハガキで。嬉しかったけど、ほんの少しでも何かメッセージが欲しかったな。
かなりの人気を集めたシリーズ第3弾「パパと呼ばないで」。それは子役時代の杉田かおるの存在が大きい。
シリーズ第4弾「雑居時代」は「おひかえあそばせ」のセルフリメイク版。大原麗子が主演だったこともあり、かなりの人気があった。
その主題歌は四女役で出演していた山口いづみが歌った。
「水もれ甲介」。石立鉄男の妹役の村地弘美が可愛かったのだ。
「水もれ甲介」のテーマ曲は伊集加代子が参加していたシンガース・スリーが歌った。
すごく入り込んだ漫画。少年マガジンに連載されていた、梶原一騎とながやす巧による「愛と誠」。大賀誠と早乙女愛の「純愛」に心を持っていかれてしまった。
浦野千賀子の漫画が原作になった「アタックNo.1」。
オープニングのテーマ曲を。
そして「マーガレット」に連載された山本鈴美香の漫画が原作のTVアニメ「エースをねらえ!」。間違いなく女の子向けの作品だったけど、僕もかなりの影響を受けた。岡ひろみが自分の部屋で真っ黒なネコ「ゴエモン」に聞いてもらう独り言が、男の僕には新鮮で、斬新で。少しだけ女の子の気持ちが分かったような気がしたんだ(勘違いだけど)。
正直に言うと、今回もまた情報が多過ぎて、だんだん何を書いているのかが分からなくなってきたコマッタナァ
最後は整理する意味も込めて。昭和の女の子たちに圧倒的な人気があった、イラストレーター水森亜土の作品を。僕も密かに可愛い絵だと思っていたけど、当時、そんなことを言うと「男のくせに」と言われ、「おんな、おんな、おんなー!」の大合唱が起こるのは間違いなかったので(なんで?そんなことに)、特に意思表示はしなかった。そして、そのような子供たちがそのまま歳を取り(もちろん、そうじゃない人もいるけど)、社会の中枢を築いてきても、どこかで「男尊女卑」な訳だから、現時点でも、ふとしたことで「そういう考え」が出てしまうんだなぁ、と思う。仕方がないと言えば仕方がないけど。今からでも変われるよ、ということで。
水森亜土の、可愛い作品をいくつか並べて終わることにするね。
では、また。アデュー・ロマンティーク。