No.0205 ここではない何処かへ。久保田麻琴のトラップ・トリップ・ミュージック。 | 『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

僕が過去と現在、ロマンティークと感じた(これから感じることも)恋や音楽、映画、アートのいろいろなことを書いていきます。

こんにちは。僕のブログ【アデュー・ロマンティーク】へ、ようこそ。

 

どうでもいい話から始めようもぐもぐ。僕は子供の時から妄想癖があって。まぁ、いろいろなことを妄想しながら、(今でいう仮想空間で)ひとり遊びをするのが好きな少年だった。当時、友達はたくさんいたし、学校が終わってから暗くなるまで、ドッジボールとか鬼ごっこ的な遊び(地域によって、その名前やルールが異なる遊び)をしていたけれど、家に帰ると突然、ひとり遊びの世界に没頭するという、そんな時間がとても好きだった。そういう「癖」って、歳を重ねてもずっと続くもの。高校生のある時、すでに大好きだったROCKについて妄想し、自分だけの架空のロック・グループをいくつも創り出しては、そのグループ名やその解説、アルバムのレビューをノートに書き出して、架空のロック事典を創作していた訳だけど(まるで僕のブログで紹介したアメリカの、架空のソウルのレコード・ジャケットを描いていたミンガリング・マイクみたいじゃないか)、ある昼休みにそのノートに書き込みを入れていたら、クラスのROCK番長みたいな奴が近づいてきて、そのノートを見られてしまったことがあった。そこには僕が創り出した(一番、秀逸なバンドだと妄想していたのはビートルズライクなバンド、イエスティーズ【Yestees】だなもぐもぐ)、いくつものロック・グループが並んでいて(当然だろう。僕が書き込んだのだから)、それを見たロック番長みたいな奴がひと言「俺の知らんバンドばっかりや。お前、凄いな」っと(当然だろう。知っていたらたまったもんじゃない)。僕にとってロック番長の感想なんてどうだって良かったけれど、僕の方は自分の頭の中を覗かれてしまったことに対して、もう気絶しそうなほど恥ずかしかった、という話。勝手にやって来て、勝手に人のノートを見るなよなーイラッ。もちろん。僕の妄想はフィクションなのだが、この話自体はノン・フィクションなので、今、書いていても相当、恥ずかしいわ。

 

いきなり。こんな、訳のわからない、人によってはどん引きさえするような話を書いてしまったが、僕という人間を少しでも知ってもらおうと書いてみた。僕のブログでは過去、あまり自分自身のことを書いたことはなかったけれど、これから少しずつ、こういった自分自身の話を挿入し、僕に対して親近感を持ってもらおうという、ひとつの、新しい試みである。

 

それでは本題へ進んでいくね。久保田麻琴という人と、その音楽のこと。まず久保田麻琴って誰?という方のために、最初に久保田麻琴の簡単な説明から。

 

久保田麻琴は1960年代の末頃、大学の友人だった水谷孝が結成した、後に伝説となるROCKバンド、裸のラリーズにベーシストとして加入していた経歴を持つ。その後、大学を1年間休学してアメリカに渡る。帰国後、1970年には日本最初のインディーズ・レーベルであるURCからシングル『アナポッカリマックロケ』をリリース。次いで1972年にはティン・パン・アレーのメンバーだった松任谷正隆のプロデュースにより、デビュー・アルバム『まちぼうけ』を発表。そして、その後、地味ながら日本の歴史に大きな足跡を残すことになる、久保田麻琴と夕焼け楽団を結成。74年にデビュー・アルバム『サンセット・ギャング』を出し、75年には、日本の音楽王・細野晴臣と共同プロデュースによる傑作『ハワイ・チャンプルー』を。続いて『デキシー・フィーヴァー』、そして『セカンド・ライン』という名作を立て続けにリリースした。そして1981年にはサンセッツ名義で『ヒートスケール』を、82年にはサンディーをメイン・ボーカルに据えたグループ、サンディー&サンセッツで『イミグランツ』を発表し、テクノポップと沖縄音楽を結びつけるなど、重いリズムと軽快なメロディでYMOとは異なる音楽性をもって、とても刺激的な活動を続けた。

 

夕焼け楽団を解散してからは、主にプロデューサーとして活動(その間にも細野さんとのユニット、ハリーとマックでアルバムをリリースしている)。世界の音楽に目を向け(特にアジア、ハワイ、沖縄に)、ディック・リーやエルフィ・スカエシなどのアルバムをプロデュースしたほか、アジアの音楽シリーズやアンビエント・ハワイなどをリリース。近年は日本の知られざる才能を発見し、アルバムをプロデュースしている。

 

久保田麻琴の、その音楽は初期はアシッドの匂いがするフォーキーなシンガーであったが、アメリカの旅の影響からか、ニューオリンズの音楽やブルース、カントリー、R&Bなどのアメリカの南部の音楽。そしてハワイと沖縄音楽が混ざったチャンキー音楽。さらには東南アジアやインド、トルコなどの音楽を地肉化して自身のオリジナリティでまとめあげ、音楽の錬金術師のように新しい価値を付加しながら、ここではない何処かへ旅立たせてくれる、イメージ豊かな音楽を提示してくれた。

 

ある意味においては、細野晴臣と同調する音楽家ではあるけれど、久保田麻琴の永い音楽キャリアを全体的に俯瞰すると、世界の音楽に対しては、細野晴臣よりも、オーセンティックでリアルな感覚を持っているような気がする。

 

それでは。久保田麻琴が永い活動の中で関わり、創造してきた全体像の音楽を『トラップ・トリップ・ミュージック』と勝手に名付けて、その音楽を一応、時間軸に沿った形で紹介していこうと思う。

 

音譜まずは、ティン・パン・アレーの松任谷正隆プロデュースによる1972年のファースト・ソロ・アルバム『まちぼうけ』の、オープニング曲『あさの光』。

 
音譜久保田麻琴と夕焼け楽団のファースト・アルバム『サンセット・ギャング』から『いとしのマリー』を。因みにアルバム・カヴァーは何故だか、映画の初代ゴジラであった。
 

 音譜細野晴臣と久保田麻琴が共同プロデュースし、ハワイで録音されたセカンド・アルバム『ハワイ・チャンプルー』から『ムーンライト・フラ』を。

音譜同じく『ハワイ・チャンプルー』から『上海帰り』を。このアルバムがリリースされたのが1975年11月、細野晴臣がエキゾチック3部作の第1弾『トロピカル・ダンディ』も同年の6月リリースだから、強い繋がりを感じるし、兄弟アルバムと言えるかも知れないな。

音譜この『初夏の香り』も『ハワイ・チャンプルー』から。何故、このアルバムからの曲が多いかというと、他のアルバムの曲がYouTubeに挙がっていなかったから。ただそれだけの理由。
音譜『ハワイ・チャンプルー』と同じくハワイ録音。たまたま別のスタジオで録音中だったリトル・フィートのロニー・バロンが鈴木茂の紹介により録音に参加してくれたという。
 
音譜1979年の傑作アルバム『セカンド・ライン』。ほんとうは夕焼け楽団なら、このアルバムからたくさん曲を紹介したかったのだが。後にいっしょにバンドを組み、奥様になるサンディーがゲスト・ボーカルで参加している『ラヴァー・プリーズ~ストップ・ザ・トレイン』など魅力的な曲が、ぎっしり詰まっている。
 
音譜サンディー&サンセッツのファースト・アルバム『イミグランツ』のカヴァーと『スティッキー・ミュージック』。そして『Dream Of Immigrants』を。イギリスのJAPANと交流しながら(JAPANの伝説の、最後の来日ツアーの前座を努めた)、刺激的な活動を続けた。
 
 
 

音譜久保田麻琴のプロデュース・ワークスを。インドからバリ島まで。アジア音楽の緩やかなGrooveが流れ出す、とても豊かな音楽シリーズであった。

 

 

 

 
音譜久保田麻琴がプロデュースしたことがある、インドネシア歌謡「ダンドゥッド」の女王、エルフィ・スカエシの『Wahai Kaumku』。この人の歌いっぷりはほんとに凄くてインドネシアの美空ひばりなのかと思う。

 
音譜久保田麻琴が発見し(細かなところは分からないけど)、プロデュースした、和歌山県の那智勝浦の孤高のブルース・ギタリスト、濱口祐自の曲を2曲続けて。テクニックも相当だが、とにかく味がある。細野さんも絶賛しています!
 
 
音譜同じく久保田麻琴が発見し、プロデュースした、秩父のタクシー・ドライバーであり、ボサノヴァのギタリスト兼ボーカリスト、笹久保伸。その名もタクシー・サウダージの曲を2曲続けて。その音楽はブラジリアンのボサノヴァとは異なるが、ツボを突いた感じや、日本語とのマッチングが逆にいい味を出していてオリジナリティも感じるんだな。

 

 

今回のテーマである『ここではない何処かへ。久保田麻琴のトラップ・トリップ。ミュージック』、いかかでしたか?言葉を変えるなら、それは『居ながらにして、脳内トリップができる音楽』ということか。

 

聴く人によって、その効果は異なるのかも知れないけれど。できれば。そのような音楽に対して、できるだけ心をニュートラルにして、柔らかく聴き入って欲しいと思っています。

 

それでは。アデュー・ロマンティークニコ

 

 

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