No.0114 ジョンとメリーのように。知らない男女が同じベッドで目覚めた朝に聴きたい音楽。 | 『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

僕が過去と現在、ロマンティークと感じた(これから感じることも)恋や音楽、映画、アートのいろいろなことを書いていきます。

こんにちは、僕のブログ【アデュー・ロマンティーク】へようこそ。
 
1969年にピーター・イエーツが撮った『ジョンとメリー』という映画がある。主演はミア・ファローとダスティン・ホフマン。原作はマーヴィン・ジョーンズ。
 
その映画はこんな始まり方をする。ニューヨークの、ある朝。窓越しに光が差し込み、同じベッドで目覚める男女。ふたりは少し戸惑っているが、起き抜けの朝のまどろみからは完全に抜けられない。ふたりは知らない者同士。けれど、現実は同じベッドで、同じ朝を迎えている。そう、昨日、パーティーでお酒を飲んでいる内に知り合ったのだ。少しずつ、断片は思いだすが、はっきりとは想い出せない。ふたりはベッドの中で、お互いの名前を尋ね合う。あなたの名前は?男が答える「ジョン」。君の名前は?女が答える。「メリー」。ふたりは顔を見合わせて笑いだす。ふたりの名前はあまりにもありふれた、どこにでもある普通の名前だったから(1969年当時の、若い男女が名付けられた頃、そう1945年くらいの年には、そんな名前が流行したのだろう)。そして、そこからふたりの、ほんのつかの間の恋が始まる、というような話。
 
そういう話だったように記憶する。細部にはまったく自信がないが、僕のイメージも添えて再現してみた。とにかく、何十年も前に1度だけ観た映画(リバイバルだったのか、名画座での2本立ての上映だったかも覚えていない)のことなので、ほとんど覚えていない。原作も読んだはずなのに。
 
けれど。何十年か前に観た、その映画のシーンが先日、甦ってきたのだ。決して。つい先日、僕にも同じようなことがあった、という訳ではない。村上春樹の、小説の中の出来事のように、「気が付けば、僕は彼女と同じベッドの中にいた」、なんて。そんなお伽噺みたいなことは日常では頻繁には訪れることはないから。多分。僕の中の引き出しの、奥の方にしまい込んだ記憶が、何かの拍子に飛び出してきたのだと思う。
 
そういうことで。今回の記事のタイトルは『ジョンとメリーのように。見知らぬ男女が同じベッドで目覚めた朝に聴きたい音楽』。馬鹿げてるよねぶー。でも、僕は『見知らぬ男女が同じベッドで目覚めた朝に聴きたい音楽』に対して真剣に向き合おうと思うし、とにかく、このタイトルに沿って話を進めようと思う。
 
今回、紹介する音楽のキーワードは「目覚め」とか、「小鳥のさえずり」とか「都市の朝」とか、「ベッドのなかでのじゃれ合い」とか「アンニュイ」だとか、そういったようなイメージ。そういうキーワードを当てはめながら、『ジョンとメリーのように。見知らぬ男女が同じベッドで目覚めた朝』というシチュエーションを想像して、僕が勝手気ままにに選曲した音楽をアルバムカヴァーと併せて(必ずしも、そのアルバムに入っている曲という訳ではありません)並べていこうと思う。ある意味、「ジョンとメリー」のもうひとつの、架空のサウンドトラックのつもりで。
 
■まずは1曲目。僕の大好きなジャズ・ボーカル。キャット・エドモンソン。とにかくキュートな歌声。見知らぬ男女が同じベッドで目覚めた朝に聴きたい音楽の、テーマ曲としたい。
■エリン・ボードも都会的で可愛らしい歌声の女性。カヴァー・アートも可愛い。
■小鳥のさえずり系の歌をイメージすると、真っ先に出てくるブロッサム・ディアリーは外せない。
■何故か、ジャズボーカルばかりが出てくるけれど。やっぱり可愛い歌声のビバリー・ケニーを。
■ニューヨークと言えば、僕の中ではもう、ポール・サイモンの、このアルバムになるのかな、と。中でも
極め付きの曲『50Ways To Leave Your Lover』(日本語タイトルは『恋人と別れる50の方法』)。何よりポール・サイモンのソング・ライティングはやはり天才の証か。コーラスはパティ・オースティン、フィービー・スノウ、アシュフォード&シンプソンのヴァレリー・シンプソンという、今では考えられないような豪華な布陣。さらに、スーパー・スタジオ・ミュージシャンであり、Stuffのメンバーでもあったスティーヴ・ガットのドラムは、彼のベストワークとさえ言われているほどの、素晴らしい「間」、素晴らしい「Groove」。
■ソウル、になるのかな。分かんないや。ブラック系ウィスパーなリンダ・ルイス。アルバム『LARK』はほんとに可愛い大名盤。
■少し前に、訃報が入ったミシェル・ルグランのお姉さん、クリスチャンヌ・ルグランの歌声も(60年代のパリ、なのでやっぱり7inchのコンパクト盤だ)、見知らぬ男女のストーリーの始まりにいいような気がするな。何かが始まりそうな予感がある(あっそうか、もう何かは起こった後なんだ)。
■Feistは僕がずっと好きな女性アーティスト。曲作りやそのサウンド・メイキングの才能にはいつも感心させられる。
■スティーヴン・ビショップのAOR名盤『Bish』から。朝もやから立ち上がるような、この透明感のある歌声、曲調は、朝、ベッドの中で朝食を食べながら、聴きたい音楽。
■レイ・バービーとマットソン2の音楽。アメリカ西海岸のプロ・スケーターであり、しかも、すごく味のある音楽を切り出してくるミュージシャン。盟友トミー・ゲレロ(絵も描いてしまうのだ)もそうだけど、スケーターは実に多彩なセンスと才能を持ってるんだな。
■『ジョンとメリー』はニューヨークが舞台だけど、こちらは90年代、ジョン・マッケンタイア率いるト―タスを中心とした、シカゴ系と呼ばれた音楽(ポスト・ロックとも呼ばれた)を代表するバンド、シーアンド・ケイク。朝に聴きたい音楽にしては少しテンポが速いが(けれど、決してイライラするような音楽ではない)、知らない男女の微妙な気持ちを考えたときには、この音楽も微妙に合っているような気がする。
■シー・アンド・ケイクと同じく、シカゴ系のバンド、ガスター・デル・ソル。聴いていてとても気持ちがいい、都市の音楽。
 
 
■次はいきなりのニュー・ソウルを。カーティス・メイフィールドの後継者としてインプレッションズに加入したリロイ・ハトソン。彼の音楽は後にAORに寄ったように、都市の中で奏でられる愛の歌である。昨年、来日を果たしている。
■いまどきの、ゆる~いHipHop。アンダーソン・パークもまた、僕の中では、見知らぬ男女の朝のBGMとして聴くといい感じだな、と思う。
■最後はふたりの愛を讃美したい、という気持ちで(ちょっと大袈裟かな)。ダニー・ハサウェイの大・大・大名曲『Love Love Love』で締めくくりたい。

■映画『ジョンとメリー』のサウンド・トラックは、実はクィンシー・ジョーンズの仕事なのだが。あのクィンシーをさておいて、よく自分で勝手に架空のサントラをつくったよね、と自分が自分を責めたい気分では、あるな。機会があれば。映画も観て欲しいな、と思う。
 
僕が、僕の大好きな音楽を語るときに、どうしても、そのアーティストの1枚のアルバムを掘り下げて語ることができない。過去の僕のブログ記事でも。敢えて、読む人に伝わりにくい切り口で、分かり難いタイトルを付けて紹介してきたな、と思う。わざわざ。単に「へそ曲がり」だけなのかも知れない。けれど、言い訳をさせてもらうとすれば、僕にとって音楽はとても感覚的なもので、その時に聴きたい音楽は、そのミュージシャンが好きだから、という以上に「気分」とか、「雰囲気」とかに影響されてしまうということがある。だから、どうしても、曖昧な「気分」とか「雰囲気」で音楽を紹介してしまうということになってしまう。いつもバラバラで一貫性がないのはそのためだ。
 
今回、紹介した『ジョンとメリーのように。見知らぬ男女が同じベッドで目覚めた朝に聴きたい音楽』。そのテーマに関係なくても、ほんとうに素敵な音楽だけを並べたつもりだ。だけど、できれば。イメージを膨らませて、ロマンティックな気分に浸りながら、何かの淡い期待感みたいなものも同時に感じてもらえたなら、と思っている。
 
それでは、アデュー・ロマンティークニコ
 
 

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