日本の三権分立 | texas-no-kumagusuのブログ

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トミオ・ペトロスキー(Tomio Petrosky、日本名:山越富夫)のブログです。

あるサイトに「日本において三権分立はちゃんと機能を果たしていると思いますか?」という質問が立ったので、それの私の書き込みをこのブログに残しておきます。
 

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三権分立という制度は、民主主義国家を維持するために原則として重要だから、できるだけこの原則に近づけたほうがと良いという制度です。

 

人間の営みは途轍もなく複雑です。我々人間が頭の中に描いた理想郷をそのまま当てはめてしまうと、砂が指からこぼれるように、思わぬところで実害が起こってしまうことばかりです。だから、その国の状況や民度などを考慮せずに、そのような理想的な原則をそのまま杓子定規として当てはめるのは逆に危険です。ですから、この制度を完全に実施している国は世界中どこにもありません。そのような状況の中で、日本は他の国と比べて三権分立の原則に近い形で実現している国です。

 

その一つの理由に、日本が、大統領制ではなくて議院内閣制を採用しているからです。この三権分立制で独立性を維持するのに一番弱いのは司法府です。民主主義を維持するために、立法府、行政府、司法府が互いに暴走を監視し合う制度が三権分立制です。その監視の一環として、司法府の長の任命権は行政府の長が持っている。ところが、行政府は国の財政を握っているので、一般に立法府と司法府比べて相対的に力がある。そして、多くの国では大統領の権限は合議制で決まる議院内閣制の総理大臣よりも絶大な力を持っています。具体的には、アメリカの大統領、フランスの大統領、韓国の大統領を見ればお分かりになると思います。大統領とは言わば選挙で選ばれる国王なのです。ですから、その絶大な権限を使って、大統領は自分たちに都合の良い司法の長を任命します。もちろん、総理大臣もその任命権を持っているので、自分たちに都合の良い司法の長を任命していますが、合議制ゆえに制限が掛かりますので、たった一人の権限で決められる大統領制ではそれが、より顕著になっているのです。

 

また、例えば、アメリカの場合では、立法府が比較的強い権限を持っているので、立法と行政の力関係は互いに拮抗していますが、それに比べて司法の独立性の危なっかしさは目も当てられません。そもそも、アメリカでは裁判官は選挙で選ばれます。だから、その選挙に立候補するには、自分は共和党系の裁判官であるとか、民主党系の裁判官であると宣言しなくては選挙に受かりません。要するに、立法と行政による政治から独立していないどころか、裁判そのものが政治なのです。そして、裁判官の選挙には当然選挙資金が必要です。ですから、それは政治献金で賄われています。その結果、もちろんそれに絡んだ汚職がいっぱいあります。

 

実態はともかく、各々の裁判官候補者が、私は自民党系の裁判官である、立憲民主党系の裁判官である、共産党系の裁判官である、なんて言っている場面は日本では考えられないでしょう。

民主主義を自負しているアメリカですら、こんな状況です。もちろん中国などの独裁国家では三権分立など始めから無視されています。私の知る限り、他の民主国家に比べると日本は、世界的に見ても比較的に三権分立が機能している国です。

 

三権分立という制度は、民主主義国家を維持するために原則として重要だから、できるだけこの原則に近づけたほうがと良いという制度です。

 

人間の営みは途轍もなく複雑です。我々人間が頭の中に描いた理想郷をそのまま当てはめてしまうと、砂が指からこぼれるように、思わぬところで実害が起こってしまうことばかりです。だから、その国の状況や民度などを考慮せずに、そのような理想的な原則をそのまま杓子定規として当てはめるのは逆に危険です。ですから、この制度を完全に実施している国は世界中どこにもありません。そのような状況の中で、日本は他の国と比べて三権分立の原則に近い形で実現している国です。
 

その一つの理由に、日本が、大統領制ではなくて議院内閣制を採用しているからです。この三権分立制で独立性を維持するのに一番弱いのは司法府です。民主主義を維持するために、立法府、行政府、司法府が互いに暴走を監視し合う制度が三権分立制です。その監視の一環として、司法府の長の任命権は行政府の長が持っている。ところが、行政府は国の財政を握っているので、一般に立法府と司法府比べて相対的に力がある。そして、多くの国では大統領の権限は合議制で決まる議院内閣制の総理大臣よりも絶大な力を持っています。具体的には、アメリカの大統領、フランスの大統領、韓国の大統領を見ればお分かりになると思います。大統領とは言わば選挙で選ばれる国王なのです。ですから、その絶大な権限を使って、大統領は自分たちに都合の良い司法の長を任命します。もちろん、総理大臣もその任命権を持っているので、自分たちに都合の良い司法の長を任命していますが、合議制ゆえに制限が掛かりますので、たった一人の権限で決められる大統領制ではそれが、より顕著になっているのです。


また、例えば、アメリカの場合では、立法府が比較的強い権限を持っているので、立法と行政の力関係は互いに拮抗していますが、それに比べて司法の独立性の危なっかしさは目も当てられません。そもそも、アメリカでは裁判官は選挙で選ばれます。だから、その選挙に立候補するには、自分は共和党系の裁判官であるとか、民主党系の裁判官であると宣言しなくては選挙に受かりません。要するに、立法と行政による政治から独立していないどころか、裁判そのものが政治なのです。そして、裁判官の選挙には当然選挙資金が必要です。ですから、それは政治献金で賄われています。その結果、もちろんそれに絡んだ汚職がいっぱいあります。

 

実態はともかく、各々の裁判官候補者が、私は自民党系の裁判官である、立憲民主党系の裁判官である、共産党系の裁判官である、なんて言っている場面は日本では考えられないでしょう。

 

民主主義を自負しているアメリカですら、こんな状況です。もちろん中国などの独裁国家では三権分立など始めから無視されています。私の知る限り、他の民主国家に比べると日本は、世界的に見ても比較的に三権分立が機能している国です。