アメリカは島国である | texas-no-kumagusuのブログ

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トミオ・ペトロスキー(Tomio Petrosky、日本名:山越富夫)のブログです。

皆さん、アメリカって島国なのご存知ですか。

島国は小さいので、外部に進出して他国の文化を貪欲に受け入れる傾向がある。イギリス然り、日本然りでしたね。

日本も鎖国ばかりでなく、もっと大きな歴史的スケールで見ると、遣唐使を頻繁に送るときがあり、鎌倉期の小休止、また足利、戦国期の外国進出、江戸の鎖国、そして明治以降の海外大躍進と言うように、海外進出を周期的にくり返していました。

ここで、一寸脱線。皆さん「遣隋使」という言葉は、日本の歴史書の一次資料にも中国の歴史書の一次資料にもどこにも出ていないのをご存知ですか。この言葉は、明治時代の帝国大学の学者が当時のまだ低いレベルの知識に基づいて過去の時代の年代を想定して、始めに小野妹子が行った遣唐使の時代は、まだ隋だったはずだと勝手に決めつけた結果作られた言葉だそうです。だから、昔、遣唐使が行ってた頃のその時代の人たちがそれを遣唐使と書いたのは間違いで、正しくは遣隋使だと明治の学者が言い出したのだそうです。その後、その教授の弟子たちはその大先生に盾を突かないで今に至っているとか。もし歴史学がこんな権威主義でいい加減な学問だったら、歴史学は、これからの若者にいくつも大発見が残されている、とても若い学問なのですね。(注)

なんか、「をとこもすなる日記といふものを、、、」と本人が書いて私は女だと言ってるのに、その後の読者が、これは男が書いたんだと色んな理屈を付けて決めつけている『土佐日記』と良く似た現象ですね。私は未だに『土佐日記』が男によって書かれたとは納得していないんだけど。

邪馬台国が何処にあったかの論争だって、メチャクチャにいい加減です。その証拠に、それが九州だと言うのが東大学派、畿内だと言うのが京大学派はだなんて、こんな人を馬鹿にした話はない。なんで、何処にあったかと言う学問的対象の事実が、何とか大学学派の説になってしまうんですか。学問的事実は個人の見解で決められるものです。だから、学説も個人に属するものだ。大学の学派を持ち出して権威争いをしているなんて、学問の体をなしていない。だから、歴史学は、権威に毒されていないこれからの若者の学問なのかも知れませんね。

さて、話を元に戻して、明治以前の日本もイギリスも島国で小さい国とは言え、国を横切るのに数日はかかった。もちろん早馬や飛脚などあったとしても、情報も日にち単位で遅れて伝達した。

ところが、現在では通信網が発達して、ニューヨークからロスアンジェルスまで、通信で数秒、人間や物資の移動では飛行機で5時間足らずで行けます。と言う ことは、アメリカは、150年ぐらい前の日本やイギリスの国の大きさと比べて、通信に関して百万倍、人間の移動に関して数十倍小さいのですね。だから、日本がその当時島国だったら、現在のアメリカはそれより遥かに小さい島国だと言えます。

ところが、アメリカ人は未だに自分たちが島国に住んでいることに気付かず、大陸に住んでいると思い込んでいる。大陸の人は島国の人たちとは反対に、余り外国に興味がなく、自分たちで閉じた世界を作ろうと言う傾向がある。かつての中国然りでしたし、今でもアメリカ然り、フランス然りです。それでも当時は大陸は大きいので、その豊かさ故に外国無視で外から何も教わらなくても生き延びることが出来た。ところが島国は、相対的に小さくて貧しいので、生き残るためには外からどんどん良いものを移入する必要があった。

だから、今島国アメリカが危険な状態にあるのだと思います。最早大陸ではなくなったアメリカに住むアメリカ人に、独善的にならず、島国なら島国らしくもっと外国の文化を知る努力をしないと、その内に国が滅んでしまいますよと、忠告してやらなければなりませんね。



 下の絵はがきは私の住むテキサスで売られているもので、テキサスはこのぐらい大きいんだぞと威張っている地図です。私は、真ん中のテキサスの州都 Austinに住んでいます。町にはハート・オブ・テキサスと言うあだ名がついています。あの息子ブッシュが知事のとき、彼はこの町には住んでいました。 彼のいたときは郊外を含めて人口は30万ぐらいでしたが、今では100万近くに増えている、アメリカで住みたい町の常に上位に入る町です。

texas-no-kumagusuのブログ-TexansMap

おっと、久しぶりに息子ブッシュの名前が出たら、彼が親からもらった会社経営で次々と失敗して、それらを売り払っていたことや、州知事になって、傍若無人に金持ち優先環境破戒の政治を行い、それに抗議する市民たちを警察馬で蹴散らしていた頃を思いだしました。

「もの言わざれば、腹ふくるるのわざなり」

と言いますから、また一寸脱線。

アメリカは矢張り宣伝の国。これも親から宛てがわれたカール・ローブと言う宣伝の天才が彼のブレーンとなってからは、
息子ブッシュは破竹の勢いで州知事、大統領と登り詰めたのです。カール・ローブは、次々と虚偽の誹謗中傷の情報を流してブッシュの政敵を追い落としたり、CIA職員の身分漏洩等々、悪事の限りを尽くしました。しかし、ブッシュの出した大統領令によって、その疑惑捜査は全て打ち切られました。

アメリカが大陸だった時代ではそんな悪事もしばらくは海外に隠しておけたでしょうが、今やアメリカは島国。そんな情報も世界中に筒抜けですね。

(注)『日本書紀』には第1回目の遣隋使とされる記事が載っていません。またその書物には、現在の連中が第2回目だとしている小野妹子は大唐国に派遣されたと書いてあります。さらに、第1回目の派遣でも、『隋書』では多利思北孤が送ったとなっていますが、その450年以上も経ってから書かれた『新唐書』には、多利思比孤は用明だと書いてあります。だから、多利思比孤は用明天皇だとされているそうです。『新唐書』以前にその記載がなかったと言うことは、そのことが伝承で知られていた可能性が大です。皆さんも、耳打ちで次々に伝えて行く伝承ゲームでは、始めの情報と最後の情報で全然違った内容になっている場合が殆どですね。今ですら400年前のことがほとんど解っていないのに、今から千年も前の人たちが、さらにその450年も前に起こったとして書いた物が、そんなに信用できるのでしょうか。