日本人てすごい 12  世界最古の新聞 | texas-no-kumagusuのブログ

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トミオ・ペトロスキー(Tomio Petrosky、日本名:山越富夫)のブログです。

数年前になりますが、アメリカの公共ラジオ放送(National Public Radio: NPR)を聞いていたら、世界で最古の新聞はスウェーデンの新聞(1645年)だと言っていたので、びっくりしました。

そんなことないだろ、日本の新聞の方が古いだろうと思い、そのとき調べてみたら、やはり日本の方が古かった。それは、慶長二十年(1615年)に印刷発行された絵入り新聞の瓦版で、その年の5月に起きた大坂夏の陣での大阪城落城を知らせる『大坂安倍之合戦之図』と『大坂卯年図』の2枚です。今でもその瓦版が早稲田大学所蔵で残っています。

絵入り新聞なんて今の写真入り新聞と同じで、文字だけのかつての西欧の古い新聞と比べて遥かに進んでいたんですね。日本人てすごいですね。

 

 

ところで、そのラジオを聞いたとき私は、

「ああ、また西洋人たちの自分中心主義が始まった」

と思いました。不遜な彼等は非西洋人のことなど眼中に無く、何でも自分たちが最初だと、そんなことをいつも言っているんですね。(注1) 

ジェンナーの天然痘の種痘だって白人たちが見つけたと威張っているけど、それより5百年も前に書かれた中国の医学書に、天然痘に罹った牛の瘡を飲ませると天然痘が治ると書いてあったんですからね。私は今から20年以上も前に、フランスの石油王シュルンベルジェの女社長Anne Gruner Schlumbergerが持っていた南フランスのトゥルトゥール(Tourtour)と言う村に近いレ・トレイユ(Les Treilles)の別荘で何度か半月ぐらい過ごしたことがあります。そして、そのことをそこで偶然に見つけた生物系の英語の本の中で知りました。残念ながらその本の名前は書き取っておかなかったので、忘れてしまいましたが。

因にその別荘は一軒だけでなく、レ・トレイユと言う一村が全部彼女の別荘です。そこで彼女は学問、芸術、あらゆる分野に渡る色々な文化的な研究会等を開かせていました。彼女はもう亡くなりましたが、その村は原則として女人禁制という理解不可能な規則を彼女が作っておりました。私が参加した研究会でも、ある世界的に有名な女性教授がその村に入いれるの入いれないのでもめていました。結局、女社長のAnneの裁量で、その時はその教授は村に入れましたが。

「ヨーロッパの超大金持ちには、わがままで訳の解らない連中がいくらでもいるんだよ」

と、
そこに参加していたヨーロッパの教授が私に教えてくれました。

話しを元に戻して、私はそのラジオ放送の間違いに腹が立ち、その放送局の掛かりの人にEメールで事実の詳細を送りました。後に大変丁寧な返事を頂き、世界の果ての極東の国にまで思いが至らなかったことを謝罪してくれました。

(注1)このブログを載せた後で英語のWikipediaを調べたら、ドイツで出た1605年の新聞が一番古いって出ていました。もちろん、日本の瓦版のように絵入りでない、文字だけの原始的な新聞ですが。でも残念、一番じゃなかった。だけど、そのWikipediaの一連の古い新聞の表には上で紹介した瓦版は出ておらず、日本で一番古いのは明治維新(1868年)の少し前にイギリス人が発行した1861年(文久元年)Nagasaki Shipping List and Advertiser という英字新聞で、その次が1862年の日本語新聞だと出ていました。瓦版を無視する西洋人の独善と無知に関しては、相変わらずですね。確かに日本が一番古くはなかったですが、まあ、ほとんど同じ時期と言えるでしょう。