慶長19年(1614年)、徳川家康は豊臣秀頼の居城・大坂城を攻めようとした。
いわゆる、大坂冬の陣である。
鍋島家も出陣するために、兵庫を先に使わした。
兵庫は地面に材木を打ち込ませ、陣を構えさしていた。
ところが、伊達政宗の手の者が後からやってきて、
それを空き地と思って自分の陣地にしてしまった。
さぁ、相手はあの伊達政宗。
一筋縄でいく人物ではない。
交渉人、成富兵庫は、さっそく政宗のところへ行く。
まず、兵庫は朝鮮の役での思い出話と、
白馬をいただいたお礼を申し上げた。
昔話に花が咲き、政宗公が気分良くなってきたころ、
「この陣場は信濃守(勝茂)より申し付けられ、
某が材木を打ち込んで鍋島陣としておきました。
遠国のため、いまだ軍勢そろわず、空き地のようにも見えたことは確かです。
ですが、どうぞ陣をお替えください。」
政宗公も納得し、陣所を変えることを了承してくれた。
機転が利き、人の扱いが上手かった成富兵庫のいい話でした。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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