鍋島勝茂は、島原の乱最後の総攻撃で抜け駆けをやらかして、
軍監の榊原飛騨守とともに閉門を仰せつかった。
で、どーゆーわけか勝茂の方が先に閉門を解かれたのである。
ソレがよほど嬉しかったのか、やらかしてしまったのだ。
「閉門御免のお祝いに一族集めて能の興行やるぞー!
できるだけ早めにやるから準備よろしく!」
と、閉門御免のお礼を老中に言いにいく前に、
まず屋敷にこのような使者を送ったのだ。
家老その他もこの一報を聞いて喜んで準備を始めたのだが、この件が奥方の耳に入った。
奥方、
「閉門御免祝いですって? 一緒に閉門になったという榊原様はどうなりました?」
「まだ御免になっていないと思われますが。」
奥方、
「それでは祝い事は無用です!
そもそも今回の閉門は原城一番乗りが抜け駆けであったための咎であるはず。
そして、咎が重いほうが当然閉門も長いものです。
であるならばより長く閉門されている榊原様が一番乗りであり、
勝茂の方が先に閉門を解かれたのは戦功が二番であったからにちがいありません!
そのようなザマで武士たるものが祝い事をするなど勝茂は心得が足りません!」
と、奥方様は大層お怒りになったとさ。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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