勝茂さまが、将軍様に元旦の挨拶を申し上げた帰りのこと。
城内を歩いていると、突然に林羅山が近づいてきて、
「鍋島家の先祖は、何氏でありますかな?」
と問いかけてきた。
今までそのようなことを考えていなかった勝茂さまは、
確信があるわけでなかったがその場の思いつきで、
「鍋島は少弐氏の流れにござる。」
と答えを返したところ、羅山は、
「おお、それは名家でござるな。
いま幕府では系図改めが進行中でござるが、
いずれ太田備中守殿からお申し入れがあろう。」
と会話が弾んだ。
勝茂さまは鍋島邸にお帰りになると、
いろいろと調査をされて、平原善左衛門が少弐氏の流れで、
その系図も持っているということを突き止めた。
そこで善左衛門から系図を取り上げて鍋島の系図に作りかえられ、
幕府へと提出されたということである。
その後、先祖に興味が湧いたので調べてみると、
鍋島家の祖である鍋島三郎兵衛尉経直さまは、
佐々木氏だとの説があるとわかった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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