分別違いである☆ | げむおた街道をゆく

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信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

栗山備後(利安)がある時、こんな話を聞いた。

「何某が、高い馬を買ったそうだよ。」

備後が、

「いか程で買ったのだ?」

と尋ねると、

「銀二十枚ばかりだそうだ。」

これを聞いた備後は、たちまち不機嫌と成った。
「それほどたわけた奴とは思わなかった!

沙汰の限りだ!
馬というものは、どれだけ高値でも二匹の役はせぬものだ!

ことに死にやすく、また怪我もしやすく、
少しのことで捨てることになるのが馬だ。
是非に及ばぬ沙汰の限りの分別違いである!」

そう罵ったので、言った者はなんとかその場を取り繕うとした。
「いやいや、何某は身代も続き、とりわけ財産も多くあるので、

たいていの損では痛みはないよ。」

「勿論あいつはそうだろう!

しかし彼より知行の少ないものたちは、擦り切れ疲弊している。
そんな中、そのような話を聞けば、少しの貯えであっても、

自分のために使い捨てるような事の出来ない者達は気をくさし、

事によっては、面目ない事態にもなるかもしれない。
彼のはらった馬の代金を、宜しき衆に分配してやりたいよ。
各肝入に売らせれば、銀2,3枚にて、

3年5年役を果たせる馬など、いくらでもあるだろうに!」

そう語った。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 黒田家の一老、栗山利安

 

 

 

ごきげんよう!