ある日、失態を犯した男を、その場で手打ちにし、首と胴を一刀両断にした忠興。
ガラシャが悲しそうに顔を伏せるので、忠興は、
「そんなに大事なら飾っておけ!」
と近くの棚の上に、男の首を置いた。
誰も片付けしようとしないため、首は数日の間、ガラシャの部屋の棚に飾られたままだった。
腐敗臭がしてきたにも拘わらず、ガラシャはいつもどうりに暮らしていた。
片付けろと言われていないため、奉公人たちも首をそのままにせざるを得なかった。
これに困った奉公人たち。
ガラシャの部屋に行くたび肝の冷える思いをする羽目になるのだ。
彼らは幽斎にどうにかして欲しいと訴えることにした。
それを聞いた幽斎は、忠興とともにガラシャの所へと向かい、
どうにか首を片付けてもらおうとした。
ガラシャの前には平謝りする大の男ふたり。
しばらくふたりを見つめた後、ガラシャは奉公人へ首を片付けるように言った。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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