伊集院忠棟☆ | げむおた街道をゆく

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伊集院忠棟は、夫婦共々熱心な一向宗信者であったという。
当時の薩摩は既に島津日新斎により一向宗は禁止とされていたにも関わらず、
取締りが緩かったのか不明であるが、何故か忠棟らは信仰を続けていた。

そんなある日、忠棟は石山本願寺に参詣に出かける機会に恵まれた。
忠棟がかねてから本願寺への奉納を十分に行っていた事、

また島津家の家老という身分からも本願寺内では丁重に扱われたという。

実は忠棟、このときある希望を抱いて本願寺を訪れていた。
忠棟は顕如に逢うと、長年の夢とも言うべきそれを口にする。
「本日は親鸞上人の御木像を是非とも御下付頂きたいと思いまして、

出向いて参りました。」

と切り出した。
 

しかし顕如はこれに困惑する。

実は親鸞上人の木像を在家信者に渡すことは、
本願寺においては禁止事項だったのである。
それは幾ら沢山の寄進をしてくれる忠棟とて例外ではなかった。
 

顕如は心苦しそうに、

「その儀ばかりは、どうぞ御勘弁ください。」

と丁重に断った。
 

しかし忠棟、どうやら生来の短気者らしく、この言葉に一瞬にして怒気を露わにし、
目尻を釣り上げていった。
「こんなに頭を下げても断られたとあっては、武士の面目が立ちませぬ!
もはやこのようになった上は御真影の前で腹かっさばいて・・・!」

と当てつけに切腹すべく、刀を鷲掴みにして立ちかけた。
 

これにはさすがの顕如も狼狽し、やむなく宝物庫から、

親鸞上人の自作と伝えられる木像を取り出し、忠棟に授けたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 島津家臣団

 

 

 

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