ご利益☆ | げむおた街道をゆく

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豊後国石垣原の合戦の時、大友修理大夫の味方、筧の城主・吉弘加兵衛尉という侍が、

黒田如水入道の備へ物見に向かったが、
如水の郎党・井上九郎左衛門と渡り合うことになり、討死を遂げてしまった。

里人は後に、石垣原の近所の別府という所の浜に石塔を立て、

吉弘加兵衛尉と書き付けて安置した。
 

加兵衛尉は名高い武士であったので、心ある侍はこの石塔を拝しながら通ったという。

一方、近所の人たちは、瘧(おこり)で震えが止まらなくなると、

塩垢離(しおごり)をとり、洗米やお神酒などを供えて、石塔を拝した。
 

すると、瘧はたちまちのうちに治ったそうだ。

後に、加兵衛尉の子どもがこの話を聞いて別府に行った。
そして、父の石塔に向かって語りかけたのである。
「父上! 手向けられた洗米や神酒のせいで、

墓所がめちゃくちゃ見苦しいことになっているではありませんか!
今後は、手向けなど取らず、塩垢離のみで本復させるようになさってください!
さもなくば、瘧を治すようなことなど、一切お止めになってください!」

それ以降も瘧治しの御利益は続いたが、

息子の言葉通り、塩垢離をとるだけで治るようになったという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 真の義士、吉弘統幸

 

 

 

ごきげんよう!