大坂の冬は寒かった☆ | げむおた街道をゆく

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大坂の冬は寒かった。

 

12月に和議も成りひとまずはやれやれ。
でも後片付けが大変、大坂城の西、船場方面の鰻谷橋の前のわが陣所、
各大名家の荷駄が入れ乱れてのてんやわんや、大忙し。

橋を渡って、城から一人の武士がこちらにやって来ました。
よく見ると、かって知ったる毛利勝永殿ではありませんか。
四国で別れて以来です。

毛利殿、

「いやあ、山内殿にはすっかりと世話になった上に、

こっそり大坂に入城致しまして、山内殿に大迷惑をおかけしました。

そのお詫びに参りました。」
と、頭をかきかき、ばつの悪そうな顔。
 

和やかにお互いの息災を確かめあったのです。

私が、

「ところで毛利殿、家康様に会っていきませんか、
丁度今から私もご挨拶に伺うところだったのです、

きっと懐かしがるでしょう。」
というと、
毛利殿、真顔になり、

「いやあ、それは止めておきましょう、武門のならいとはいえ、
関ヶ原で寛大なご処置を頂いた家康様には、ほんと会わせる顔が無いのです。」
といって、すたこら去っていきました。

それが最後の分かれと成りました。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 土佐藩第二代藩主、山内忠義

 

 

 

ごきげんよう!