一国兼光☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

紀州の徳川頼宣が、土佐国山内土佐守(忠義)の愛蔵している兼光が、

世に名高い大業物であると云うのを聞き伝えて、ある時、藤堂高虎に対し頼んだ。
「土佐守の兼光を、所望してもらえないだろうか。」


高虎は承知し、早速山内忠義を訪ねて、紀伊大納言所望の件を話した。
すると忠義は、元来非常に気性の激しい人でもあったので、大いに反発した。

「以ての外のことです! あれは我ら秘蔵第一の刀、進上などは思いもよらぬ!」

そのけんもほろろの態度に、高虎も少し腹を立て言い返した。

「左様に仰せられても、もし将軍家より御所望と有れば差し上げぬはずはないではないか。」

ところが忠義、
「例え将軍の命であっても、あの兼光は差し上げ申さぬ! 土佐一国に変えても嫌でござる!」
そう言い切った。

 

これには高虎も呆れ返って二の句も付けず辞して帰った。

ところが、この話が評判となり、土州公の、

「一国兼光」

と呼ばれ、一層名高いものに成ったという。
 

忠義が国に変えてもと言っただけはあって、この兼光は無双の上作であるそうだ。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 土佐藩第二代藩主、山内忠義

 

 

 

ごきげんよう!