石垣山城に愛妾を呼び能や演芸など風流に溺れて、一向に攻城戦を仕掛けない秀吉。
秀吉の本陣前を横切った宇喜多家臣・花房職秀に、秀吉の護衛が下馬を命じたが、
職秀は、
「戦陣で女どもをはべらしている大将に、何故、俺が下馬せねばならぬのだ!」
と秀吉の護衛を一喝し去った。
運悪く門の上から秀吉はそのやり取りの一部始終を見ており、
秀吉は怒り狂い、すぐさま宇喜多秀家を呼び出し、助兵衛を縛り首にするよう命じる。
宇喜多秀家は、すぐに職秀を追ったが秀吉から気が変わったとの知らせが秀家の元に。
「職秀の武功を思い出し、あれほどの豪の者、縛り首では憐れ、武士らしく切腹させよ。」
との事。
秀家は、切腹させる為さらに職秀の後を追ったが、またまた秀吉からの使者が。
「考えて見ればこの秀吉に、あそこまで悪態をつけるのは天下広しと言えども、
職秀だけであろう。あやつに加増して遣わせ。」
との命。
その話は小田原の陣中でもちきりになり、
秀吉の士を深く愛する気持ちに人々は感嘆し、
花房職秀の毒舌が大いに知れ渡ったとさ。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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