土井大炊頭が、坂崎出羽守愛用の三池典太の脇差を所望し、
家臣の寺田某を坂崎の屋敷に遣わした。
寺田から話を聞いた出羽守は、
「大炊様から脇差を所望されたのは、名誉なことである。
斬れ味を確認して頂いた上で、進呈することとしよう。」
といい、家老を呼び、罪人がいるかどうかを尋ねた。
家老が、
「今日はいません。」
と答えると、出羽守は、
「昨日、不始末をし叱った坊主がいるだろう。そいつを連れてこい。」
といい、連れてこられた坊主を木に吊るし、
その脇差を抜き打ちに胴切りにし、坊主の体を両断した。
その一部始終を寺田に見せた上で、脇差を渡した。
坂崎の凶暴さとともに、
脇差の抜き打ちで胴を一刀両断にする恐ろしい腕の冴えを伝えるお話し。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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