水野勝成は、福山在城の後、かつて軍術を学んだ三郎兵衛を迎えて、
政事の輔佐を頼んだ。
ところが、三郎兵衛は嘲笑って、
「貴殿の骨相が普通ではなかったから、
百万石、五十万石にも立身するだろうと思い、
奥秘を残さず伝えたというのに、わずかに十万石止まりでしかないのは、
以前から臆病なうえに、人を殺すことをお好みになったからであろう。
過ぎたことはどうしようもないから、今後はお慎みになるべきだ。
私が頼りにされて国の世話をするべき人は、日本に一人か二人しかいないのだ。」
と言うと、立ち帰ってしまった。
勝成はこういう事にはよく腹を立てる人だったが、
その様子も無く、三郎兵衛が存生のうちは、
時々使いを立てて見舞い、品物を贈ったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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