関ヶ原合戦の後、いよいよ石田三成や小西行長が斬首される事となった。
死刑執行当日、六条河原に向う道程で、戦犯者を一目見ようと人だかりが出来ていて、
石田三成一向を哀れみや同情、はたまた嘲笑したりと様々な様子で見守っていた。
まさに辱めである。
ご存じの通りこの見せしめは、三成の権威を地に落とし、
これから始まる徳川政権が、
より盤石になる為のプロパガンダ的な意味もあるので、
この人だかりは徳川政権的に好都合であり狙い通りでもあった。
「少し、待たれよ。」
と、護送に加わっていた一人の男が止めた。
その者は一同をひとまず停止させると、
石田三成と小西行長に何も言わず近付き、
顔が隠れる深い編笠をソッと被せてやった。
顔を晒させない気遣いだった。
その男は、水野勝成であった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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