雀部與作の祖父は、三好長慶の家臣であった雀部伊豆であり、
父の代から池田家に仕えるようになった。
大坂の陣では池田利隆にお供したが、摂津の大島で焼き働きをすることになった。
しかし大島は先祖の在所知行であったため、住民たちが與作のところに詰めてきて、
「何とぞ、お焼き捨てなさらぬように。」
と申し続けていたが、既に決まったことなので與作は許容しないでいた。
與作は香西縫殿の姪婿であったので、そのことを聞いた縫殿が利隆へ申し上げた。
利隆は御前に與作を呼ばれて、
「大島は、その方先祖の知行か。」
とお尋ねになられたあと、
「御陣の障りにもなるまいし、そのままにしておくように。」
と縫殿に仰せ付けられた。
大島の住民たちは、このことを有り難く思って、御馬のぬかわらを世話したという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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