池田輝政は、時々一人で、
「ウォー」とか「ウワァー」とか奇声を発することがあった。
家臣たちが驚いて、
「いかがなさいましたか?」
と訊くと、
輝政は苦笑してこう言った。
「驚かせてすまない。
今起きていることが、昔俺が考えた通りのことなので、
思わず俺もたいしたものだ、と嬉しくなったのだ。
今後もしばしばこういう声を出すと思うが、別に心配しなくてよい。
俺が奇声を発した時は、会心の声だと思ってくれ。
嬉しくてこういう声を出すのだ。」
話を聞いた家臣たちは納得し、胸をなでおろした。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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