勇将の馬印☆ | げむおた街道をゆく

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慶長の役、蔚山城の戦いにおける一幕。

完成間近の蔚山城は、明・朝鮮による5万7千もの大軍に囲まれた。
篭城側は加藤清正をはじめとしたわずか2千。
兵糧も尽き水の手も押さえられ、落城寸前のところに現れた援軍は、
毛利秀元、黒田長政らからなる2万だった。

いよいよ明・朝鮮軍による蔚山城への総攻撃が始まると、
援軍も敵軍の背後を衝くべく動き出した。
そのとき、毛利秀元の軍勢より二引両の馬印を掲げた一軍が躍り出し、
颯爽と、縦横無尽に敵を蹴散らしてゆく。
後続の軍勢もこれに続き、ついには、約三倍もいた敵軍を敗走せしめた。

この様子を蔚山城から見ていた加藤清正は、
鬼神のごとき働きをした、あの二引両の馬印の大将を招いて曰く。

清正「貴殿の馬印は遠目には目立たないし、勇将には似合わない。
   変えたほうがいいのではないか?」
大将「そうですか。では主計頭(清正)殿の馬印を賜りたい。」
清正「それは嬉しいお申し出! ぜひ使ってくだされ!」

二引両の大将は、吉川広家。
広家は以降、清正から贈られた銀の九本馬簾の意匠をアレンジし、
赤の十三馬簾(婆々羅)として用いることになる。
 

関ヶ原でやきもきする毛利秀元たちの前に立ちはだかったのも、
このド派手な馬印だった。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 関ケ原南宮山、吉川広家

 

 

 

ごきげんよう!